気虚と血虚の改善は食事から!

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東洋医学の気虚と血虚

体質診断で気虚血虚に当てはまりました。

手足がすぐ冷えて唇や爪が紫色になる。

むくみやすく疲れやすい。

気分の浮き沈みが激しく不安になりやすい。

それは気虚血虚の典型的な症状です。

疲れ易さは気虚と呼び、貧血のような症状は血虚と呼びます。また、普段からのぼせやすい人は津液虚に当たります。

生まれつき虚弱な方もいますが、生活習慣では

  • 過労
  • 睡眠不足
  • 飲食の不摂生

が身体が虚する三大要因です。

最近は東洋医学の体質診断もメジャーになってきました。

こちらでは、体質が分かったけど何からすれば良いか分からない人に基本的な改善法をお伝えします。

お金をかけたくなかったり、漢方薬は美味しくないから苦手という人に、普段から手軽にできる生活習慣の改善法をお伝えします。

 

人物紹介

澤 楽(さわ らく)

東洋医学をベースに経絡内臓整体で身体の体質改善を目指す鍼灸マッサージ整体師。 栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康を実践している。インサイド整体で様々な疾患を解消しています。

⇒澤楽のインサイド整体とは

気虚血虚になる原因は内臓から

気とは代謝で、血とは栄養を運ぶものですね。

気虚とは、身体がひ弱な人のイメージ。

最近になって分かってきたのは副腎疲労なども原因になっているという事です。

代謝が悪いので、新しい栄養も受け付けなくなります。

気虚を解消するには代謝を高めることが必須です。

まずは代謝を高めるために体温を上げる事と、ストレッチなどで筋肉に刺激を入れる事ですね。

内臓も筋肉なので、冷えていると動きが悪く機能が低下します。

冷たい飲み物を避けるのはもちろん、クーラーなどで冷やし過ぎるのも気虚の原因となるので避けましょう。

大切なのは、体温を高い状態に保ち一定の代謝を保つ事なので。

気虚とは代謝が低い状態なので、発育も左右され虚弱体質な印象を受けやすいですね。

血虚とは貧血気味な人のイメージ。

生まれつきの体質でもありますが、変えることは可能です。

小さな時から小食で運動が嫌いな痩せ型な人は血虚と言えます

ポイントはなぜ気(代謝)や血(栄養)が不足するのかという事。

そもそも、体質や性格というのは、内臓の状態を反映していると東洋医学では考えています。

そのため、状態を改善するというのは内臓を強くするということですね

例えば、子供のころは病気がちだった子が、スポーツをするようになって、身体が健康になったというのはよく聞く話ですね。

貧血気味で内気だった子が、ヨガをしているうちに、健康で外交的な性格に変わったという話もあります。

しかし、皆が思うように体質を改善できないのは何故か?

要は、鍛えるところが違っているということです。

気(代謝)を高めたいなら肝臓を、血(栄養)を高めたいなら消化器系の機能を高めることが必要なのです。

 

東洋医学と西洋医学の違いを川に例えると

西洋医学を例えるなら大きな川と小さな川をイメージして下さい。

大きな川はたくさん水量が減っても平均の水量より多ければ異常無しと判定されます

つまり、病院で異常なしと判断される背景には、平均値を重視するあまり、元々の状態を軽視している事にあります。

対して小さな川は少し減っただけでも異常ありと判断される可能性が高いと言えますね。

対して東洋医学なら水量を計る事はせずに、普段と比べて違いはあるかを確認します。

重視するのは普段との違いという事ですね。

さらに川の汚れを見たとしても、大きな川の方がゴミがたくさん見つかるのは当然ですが、異常ありの判断になるでしょう。

これが医学が発達するほどに病人が増えるというからくりです。

それよりも普段はないゴミがあるかどうかが異常のある無しではないでしょうか

だから問診をろくにせずに機械だけを見つめていれば、見落としが出るのは当然ですね

気虚のような倦怠感は、検査では異常が見つかりにくい状態の一つです。

ですが、

  • 倦怠感
  • めまい
  • 冷え

などの状態が長く続くようなら身体の機能低下を疑いましょう

血虚は貧血のような症状ですが、生まれつきの人は内臓が弱いという事です。成長するにつれて、

  • 生理痛
  • 低血圧
  • 目のクマ

などがひどくなるようなら生活習慣の改善は必須と言えますね

 

こんな生活習慣には気をつけよう

現代人は、胃腸の調子が悪いときに薬をすぐに飲んでしまいます。

実は、これが一番、身体には悪いのです。

野生の動物は、体調が悪い時にはなにも食べません。

身体がだるいからと、元気が出るようにとステーキや焼き肉を腹いっぱい食べようなどは愚の骨頂です。

足りていないのは栄養ではなく、回復力ですから。

身体の回復力を最大限に高めようと思えば、まず、するべき事は胃腸の負担を減らす事です。

身体の消費エネルギーは大別すれば、

  • 消化吸収
  • 代謝
  • 排泄

の三つだけです。

中でも消化吸収には摂取したエネルギーの70%が使われ、排泄には20%くらいが使われます。

だから身体の修復に使えるのは10%未満なのです。

そのため消化しやすい食事を意識することが大切なのです

そして、身体を元気にするには代謝をあげないといけません。

この時に消化吸収にエネルギーをとられれば、代謝が思うように上がりませんし、排泄にも余計なエネルギーを割かれます。

だから、体調不良の時は消化吸収と排泄の手間を省いて、代謝の向上を目指すのが理に適っているのです。

昔から、風邪を引いた時は、おかゆを食べていました。

現代でも、入院した際にはおかゆが出されます。

どんな医学でも胃腸の負担を減らすのは基本ですから。

体調不良の時は、あっさりとした食事を腹八分目に取ることが重要なのです。

漢方薬では、補中益気湯や十全大補湯がよく使われます。

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気虚と血虚を改善して内側から元気になろう

共通した問題点としては、胃腸での消化吸収が悪いという特徴があります。栄養が入ってこないから、必然的に代謝は下がります。

姿勢は、猫背でうつむき気味で、靴はかかとがすり減っているのが特徴ですね。下腹は出っ張って来るので、胃腸は圧迫され機能低下を招きます。

まずは、腹部のストレッチが重要です。胃腸の働きやすい環境を作るのです。

アシカのポーズをとりましょう。

①うつ伏せになり両手をついて上半身を反らせます。

②次は呼吸を深くしましょう。10秒吸って20秒かけて吐きます。

③この時に胸をはり、背中は丸まらないように気を付けて、肩が動かないようにすると横隔膜を通して胃腸に刺激がいきます。

姿勢を正すのも重要ですが、胃腸に刺激を入れるのは、腹部のストレッチと呼吸の方が効果的ですから。

エネルギーが不足しているので、筋肉の働きも悪く、リンパの流れも滞りやすく老廃物が溜まりやすいですね。

常に倦怠感の襲われやすいのも、このためです。軽く身体を動かした方が良いですが、辛い時はぬるま湯に長く浸かって、体温を上げるようにしましょう。

特に、女性は生理中から生理後にかけての1週間は、出血による消耗が激しいので集中的に血を補う食事をすること。

また、脳を使うのも血を消耗させるので、夜更かしは控えましょう。

特に遅くまで

  • 勉強や仕事
  • パソコン
  • テレビゲーム

などをすると、眼の疲労から血の消耗を加速させます。

血の生成は夜間に行われるので、しっかり睡眠を取るようにすると良いですよ。

漢方薬では、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がよく使われます。

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より改善するには食生活にも注意しましょう

気虚血虚の人は、お菓子が好きな人が多いですね。これは胃腸の働きを低下させます。

なぜなら、症状を一番悪化させるのは白砂糖だからです。他にも、ショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸や、酸化した脂質などと代謝を低下させるもののオンパレードです。

そのため、

  • お菓子
  • ケーキ
  • チョコレート

は極力控えましょう。甘い物が欲しいなら出来立ての物かドライフルーツやハチミツなどを選びましょう。

コーラなどの炭酸飲料もよくありません。カロリーゼロでも人口甘味料が含まれています。甘味の元として、ステビアを使っているものならOKですよ。

飲み物はお茶や紅茶、100%のジュースなどを冷たすぎない温度で飲みましょう。

全てを完璧に控える必要はありませんが、身体に不調を抱えているなら、悪い物を減らす努力は必要ですね。

 

めざしたいのは医食同源

医食同源という言葉通り、食べるもので健康を維持するというのは西洋医学にもあります。

ただし、東洋医学が重要視している事は排泄です。

栄養を意識して食べることはもちろん重要ですが、排泄はそれ以上と考えています。

動物でも、牛は消化しにくい草から栄養を摂るために、胃が四つあって何度も噛むことで健康を維持します。

ウサギなら、自分の糞をもう一度食べて、吸収不足の栄養を改めて摂ろうとします。

東洋医学には「四百余病すべて宿便」という諺があるほど排泄を重要視します。

そのため、何を食べるかも重要ではありますが、

  • しっかりと噛んでいるか
  • 消化出来ているか
  • 吸収できているか

それらが排泄から読み取れますね。

排泄が出来ていない人は、様々な問題に見舞われます。

 

気虚を改善する代謝アップのツボ3選

①気海(きかい)

気海穴はおへその少し下にあるツボです。おへそから下に1.5寸(3cm)下がったところ。

ここは「丹田」と呼ばれる場所でもあります。

便秘や下痢、腹痛、月経痛、月経不順などを治します。

手を添えて1分ほど温めるかカイロを貼っておくのも効果的です。

 

②三陰交(さんいんこう)

場所は内くるぶしの上4,5寸(約9cm)で血流の悪い人は痛みます。

血流の改善ツボとして有名で

  • 生理不順
  • 生理痛

などの婦人科疾患にも有効ですね。

指腹で優しく押して30秒ほど待ちましょう。

温まってきたらOKなのでカイロなどで温めても良いですね。

③中脘(チュウカン)

おへそとみぞおちを直線で結んだ線の中間にあります。

軽く擦るように時計回りに刺激しましょう。1分ほど続けてください。

ただし食べた直後はマッサージをしないでくださいね。

血虚を改善するツボ3選

①三陰交(さんいんこう)

場所は内くるぶしの上4,5寸(約9cm)で血流の悪い人は痛みます。

血流の改善ツボとして有名で、

  • 生理不順
  • 生理痛

などの婦人科疾患にも有効ですね。

指腹で優しく押して30秒ほど待ちましょう。温まってきたらOKなのでカイロなどで温めても良いですね。

②血海(けっかい)

膝の皿(膝蓋骨)の内側の上の角から上2寸(約4cm)です。

全ての川が海に帰るように血の帰る脾へと押し流します。

親指で強めに30秒くらい押しましょう。じんわりと気持ちよくなります。

③足三里(あしさんり)

膝の下の出っ張りの外側のくぼみです。ここを気持ち良いくらいに10秒ほど刺激しましょう。

胃腸を整えるツボで合谷と同じ四総穴の一つです。

身体全体の気血の流れをよくするので、どれだけ歩いて疲れてもここを刺激すればあと三里(12km)は歩けるという事から足三里です。

③中脘(チュウカン)

おへそとみぞおちを直線で結んだ線の中間にあります。

軽く擦るように時計回りに刺激しましょう。1分ほど続けてください。

ただし食べた直後はマッサージをしないでくださいね。

⇒気虚と血虚を根本的に解消したい人はこちら

まとめ

気虚と血虚の人は胃腸が弱いのが特徴です。消化と吸収を改善しましょう。

結果として猫背で呼吸が浅く白砂糖を摂りがちです。

まずは、

  • 腹部のストレッチ
  • 深い呼吸
  • 自然の甘味

を摂るようにすると体質は改善されていきますよ。

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院

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