木一郎のスッキリ漢方薬は精力をつける効果のある生薬は山薬(さんやく)
スッキリ漢方薬
人物紹介
木一郎(もくいちろう) 三人兄弟の長男
几帳面で気質、理論的だが怒りやすい面も。仕事大好きで競争に強い。鍼灸用品や漢方薬を販売する会社の経営者で金代と水太の上司。
金代(かなよ) 二人姉妹の下
マイペースで職人気質、とにかくこだわりが強い。友達は少ないが深い付き合いで寝るのが大好き。木一郎の鍼灸用品の会社で働いている。澤楽に灸のツボを習っている
水太(みずた) 二人兄弟の下。 とにかく行動的でじっとしていない、意外にビビりな面もあり、新しいことを始めたいが始めるまでに時間がかかる。木一郎の会社に勤務。スマート筋トレを実践しており、通販が大好き。
木一郎「今日は、滋養強壮に効く山薬を紹介するよ」
金代「たしか、山芋のことですよね」
水太「おお!とろろのことか!」
木一郎「二人とも冴えてるね、生活に根付いている漢方薬はたくさんあるけど、山薬はその代表と言えるね」
「じゃあ、さっそく紹介するよ」
山薬の効果効能とは
芋類のなかでも、生食用として好まれるのが山芋と長芋です。
疲れが溜まって元気のない気虚の症状に重宝されてきました。
おろした食べ方をとろろと呼び、
- とろろ汁
- 山かけ
- 和え物
などで昔から親しまれてきました。
とろろは栄養が豊富なことで知られ、ジアスターゼなどの消化酵素を多く含むので、古くから山の鰻と言われてきました。
漢方薬における山薬は、山芋のことで自然に生えることから自然薯(じねんじょ)とも呼ばれていました。
主な成分は、
- ジオスゲニン
- β-シトステロール
などのステロイドです。
ジオスゲニンは、性ホルモンや免疫ホルモンなどの原料となります。
そのため、ジオスゲニンの摂取により女性ホルモンの産生力アップの効果が期待されます。
シトステロールは植物性スチロールの一種で、コレステロールに似た構造を持ちます。
シトステロールは動物性のコレステロールの吸収を阻害するので、高コレステロール血症の改善が期待されます。
漢方では、滋養強壮薬として有名です。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
- 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
などに配合されます。
八味地黄丸は、腎の働きが衰えた高齢者に元気をつける漢方です。
高齢者に用いられるのは、
- 体力があまりない
- 疲労や倦怠感が激しい
- 下半身の冷えが強い
- 夜間のトイレが多い
などの特徴がある人におすすめだからです。
いわゆる、腎虚に分類される気(代謝)が足りない人にぴったりです。
そして、牛車腎気丸は、八味地黄丸に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)という生薬を加えたものです。
牛膝は膝に効く生薬とされ、グルコサミンなどが含まれています。
車前子は春の七草の一つであるオオバコの種子になり、鎮咳作用があります。
この二つを八味地黄丸に加えることで、下半身が冷えやすい方の
- しびれ
- 下肢や腰の痛み
- むくみ
- 排尿障害
などの改善が期待されます。
に用いられます。
山薬が配合された漢方薬は、滋養強壮とともに、高齢者の疾患の改善に使われるものが多いのが特徴です。
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体力を補うためには山薬が配合されているものを選ぼう
木一郎「というように、若い人にも良いけど、特に高齢者向けにおすすめなのが山薬が配合された漢方薬なんだ」
金代「年配の方に相談を受けたら頭に入れて置いた方が良さそうですね」
水太「滋養強壮にも効くなら俺も飲もうかな!」
金代「、、、おじいちゃんにあげれば?」
木一郎「まあ、試してみるのは良いことだな」
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院