東洋医学から見たへバーデン結節の原因と改善法
健康法
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに内臓整体で身体の体質改善を目指す整体師。
栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康とは何かを考えている。
澤楽「今日も皆さんの健康のために解説します」
「今日、解説するのはへバーデン結節です」
「最近では徐々に認知度が上がってきて注目されている疾患の一つです」
「へバーデン結節は放っておくと関節の変形が進み痛みも悪化するので早期に治療した方が良いので、今回は東洋医学から見た対処法について書いています」
へバーデン結節で病院に行くと
指の関節の痛みに困っていても、へバーデン結節は病院では治らないと言われて痛み止めを出されるくらいが多いです。
ですが、実際はへバーデン結節を薬でごまかしていても痛み止めの量が増えるばかりで改善されることは少ないと言えます。
痛みをごまかして悪化すると、
- ベルトを締めようと握る時
- お箸で何かを持ち上げた時
- 指をどこかにぶつけた時
などだけでもかなりの激痛に襲われることもあります。
一時的にマシになっても原因を特定し対処しない限りは何度でも悪化します。
へバーデン結節とは指の第1関節が変形し、痛みを繰り返す症状で40歳代以降の女性に多くみられるのが特徴です。
症状が出てから指の変形の進行や痛みが止まる場合もありますが、多くの人は指の関節の変形は止まらず、最終的には全ての指が変形する場合もあります。
へバーデン結節の原因としては女性ホルモンの減少が考えられています。
そのため、閉経が始まる40~50代の女性に多く見られ、男女比は2:8くらいです。
また、若くてもなる人がいるのも特徴です。
その場合は家族にへバーデン結節の人がいることが多いです。
そのため今はまだ指の変形が始まっていない人でも母親の指が変形している場合は、女性の場合は普段の生活から注意が必要です。
へバーデン結節は遺伝性と言う訳ではありませんが、へバーデン結節になりやすい体質の人がいるのです。
東洋医学から見たへバーデン結節の原因
東洋医学では一つの症状にあたって同じ原因だとは考えません。
また、違う症状でも同じ治療をすることがあります。
これを「同病異治、異病同治」と言います。
ポイントとなるのが寒熱や虚実になります。
身体が熱している時は強く腫れあがり実(身体の過活動)のことが多く、身体が冷えており関節がぶよっと腫れている時は虚(身体の機能低下)と考えます。
へバーデン結節が更年期の女性に起こりやすいと言えども、なる人とそうでない人との違いは何かということです。
そのため、東洋医学ではへバーデン結節以外の症状にも注目します。
身体が熱していて実の時は頭痛や肩こりなどを抱えている人が圧倒的に多く、身体が冷えていて虚の時は腰痛や足のむくみなどが顕著な人が目立ちます。
実の人は代謝が高く全身で汗をかきますし、手先や足先が冷えることはありません。
対して、虚の人は代謝が低く足先などが冷えやすいのが特徴です。
ここでポイントとなるのが身体の水分が十分かどうかです。
東洋医学では代謝の機能を気と呼んで身体を温めたり熱を運んだりする機能と考えています。
へバーデン結節になる人は気(代謝)が低下しており、関節に十分な水分を運べないか、関節でできた老廃物を運び去れない状態だと考えます。
だから指が腫れやすく、腫れた後になかなか治らない状態になります。
この場合に改善したいのは津液(水分)の循環です。
健康な状態であれば水分不足には気が付けるので水分不足にはなりません。
ですが、空調設備に囲まれていると水分不足を感じにくく喉が渇きにくくなります。
そのため身体は慢性的な水分不足に陥り、身体の循環が悪くなるので指が腫れやすく腫れが引きにくいのです。
だから水分をとるように指導しても飲めないという人が多いですが、水分をとる癖がついてくると喉が渇きやすくなってくるので、初めは飲みにくくてもまずは朝に一杯の白湯を飲む習慣をつけましょう。
理想は体重の3%にあたる水分を白湯の形で飲みましょう。
体重が60kgの人で1.8ℓくらいの計算です。
東洋医学から見たへバーデン結節の天敵
へバーデン結節を起こす人は身体の中で炎症が起こりやすい状態になっています。
状態としては熱証の気虚と呼ばれ水分不足も原因の一つで、水分不足の状態は炎症を抑えられなくなっています。
そのため基本の治療は炎症を鎮めることになります。
まずは炎症の原因となる
- 甘い物
- お酒
- 寝不足
- 過労
などを徹底的に排除することが大切です。
なぜなら身体の水分の流れを悪くするのが甘いものなので過食は禁物です。
他にも炭水化物の食べ過ぎなども原因となります。
糖質を多く摂取してもいい人は、普段から運動などで身体を動かしてカロリーを消費している人だけです。
もしくは、代謝の高い10代くらいまでです。
次に水分不足を悪化させるのはお酒です。
お酒には利尿作用があり身体から水分を排泄させることに加え、アルコールの分解の際に水分を必要とするので二重に水分不足を加速させます。
カフェインにも同じ作用があるのでお酒を飲まなくてもコーヒーを一日に3杯以上は飲む人は水分も意識して飲む必要があります。
そして身体に水分を巡らすのは身体を横にして眠っている時なので寝不足も局所的な水分不足を引き起こします。
特に夜の12時を過ぎても起きている人は注意が必要です。
人間の身体が疲れていると感じる時は水分の流れが悪くなっている時で、そんな時にお酒を飲めば水分の流れの悪化は免れません。
最悪なのは夜の12時を過ぎても飲んだりしている人で、そこに過労がつけば今は平気でもへバーデン結節の予備軍と言えます。
あとは炎症を鎮める食材を摂りましょう。
薬膳の世界では余分な熱をとる作用を清熱と呼びます。
炎症を鎮めるのは身体に水分を巡らす作用のあるハトムギがおすすめです。
ハト麦茶などが有名ですが、ハト麦ごはんなどの炊き込みご飯も人気となっています。
ハト麦には炎症を鎮める作用があります。
普段から積極的に炎症を鎮める食材を摂るとへバーデン結節は治まりやすくなります。
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まとめ
病院ではへバーデン結節は治らない疾患だと言われますが、東洋医学から見れば治らない疾患は存在しません。
なぜなら全ての症状に原因があり、原因を解消すれば症状は治まるからです。
そして基本的には食事と生活習慣で治らない疾患は存在しないと言われます。
問題となる身体に悪い食事や生活習慣を改めればへバーデン結節は解消されます。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院