東洋医学から見た夏バテの原因と対処法
健康法
夏になって微熱が続いている。
喉が痛くなって治らない。
急性胃腸炎になって下痢や腹痛もひどかった。
その後もだるさが続いている。
夏場に続く体調不良を総称して夏バテと呼んでいます。
こちらでは、夏バテとも呼ばれる体調不良の原因と、養生法と呼ばれる東洋医学から見た正しい過ごし方について書いています。
夏バテの原因とは
夏バテの主な症状には、
- 全身の疲れ
- 思考力の低下
- 食欲不振
- 下痢や便秘
- むくみ
などがあります。
夏バテの原因として、現代医学では、自律神経の乱れを重要視しています。
自律神経とは体温調節の機能などてす。
加えて胃腸の機能が低下しているので、病院の多くはビタミン剤を処方します。
ですが、夏バテは季節特有の症状なので、夏の気候に応じた対処が求められます。
具体的に日本の夏は5月5日頃~8月6日頃と定義されます。
年によって多少のズレはあっても大きな違いはありません。
梅雨は夏の前と思われがちですが、梅雨も夏に含みます。
基本的には、むしっとした梅雨と底冷えする秋雨の間を夏としています。
そして、温度差の激しい季節を秋として、一般的には8月7日~11月6日頃としており盆が終わったら秋の始まりです。
最近では秋に体調を崩す人が増えていますが、これは夏の過ごし方が問題なのです。
多くの人は夏を無事に乗り切っても秋になって体調を崩します。
これは夏に身体を弱らせた結果と言えます。
東洋医学では消化器官の弱りに注目する
東洋医学では、夏痩せの原因は脾胃(消化器系)の弱りが原因とします。
そして、脾胃が弱るのは湿邪(身体にこもった熱)が原因としています。
高い湿度は身体に熱をこもらせ、悪影響を及ぼします。
結果として食欲が落ちて、下痢や便秘がおきるのです。
つまり、下痢や便秘は少し症状が悪化した状態です。
さらに現代人は肺が弱りやすいのも特徴です。
肺は体温調節を司るので、暑い外気温と室内の涼しい所を行ったり来たりすることで、著しく肺が弱ります。
つまり、昔の人がなる夏バテとは原因が少し変わってきているのです。
土用の丑の日の様に、夏バテを乗り切るために栄養価の高いウナギを食べるには胃腸が元気である必要があります。
現代人は栄養は摂っていても胃腸が弱い人が多いので、栄養ばかりを重視するよりも自然に沿った生き方をする必要があります。
室内を極端に冷やさない事や冷たい物ばかり飲まない方が栄養を多く摂るよりも大切な事です。
人間の身体には、
- 気(熱)
- 血(栄養)
- 水(老廃物)
が流れており熱いと感じれば余分な物は排泄されます。
ですが、寒いと感じたら排泄力が下がります。
これは体温を調節するために必要な仕組みです。
自然な状態では、流れの調節は一日に一回だけ行われます。
それが、暑さと寒さの中を一日に何度も行ったり来たりすることで乱れてしまうのです。
クーラー病とは流れが調節できずに体温が調節できなくなった状態です。
東洋医学では夏バテを注夏病(ちゅうかびょう)と呼び、夏バテを病気として捉えています。
昔の夏バテは深刻で夏痩せで体力が落ちている所に、寒暖差で肺が弱ると結核などの危険もありました。
そんな夏バテの予防や治療には温かい甘酒が好まれました。
甘酒には夏バテの改善に効果的なビタミンBやCが豊富なので消化器系の回復に効果的なのです。
夏バテ対策でウナギを食べるのも良質な脂質をとるためには効果的ですが、本当に胃が弱っていればウナギはきついのでそんな時には甘酒がおすすめです。
身体が水分不足になると身体に老廃物が溜まり自律神経の働きが乱れるので、
- ほてり
- かわき
- 寝汗
- 眠りの浅さ
- 腰痛
- 耳鳴り
- 声がれ
- 便秘
などが起きます。
さらに猛暑だからといってエアコンを多用すると余計に夏バテや夏風邪の人が増えると言われます。
暑い時にクーラーは必須ですが、外との気温差が大きすぎると体調を崩すので注意が必要です。
可能なら外との気温差は5℃以内に抑えて、暑さがマシな朝夕には外に出るようにしましょう。
スイカやキュウリは身体の熱を冷ますのに効果的ですが、あくまで暑い中で食べるから健康なので、クーラーを効かせた中で食べ過ぎれば逆効果になるので注意が必要です。
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まとめ
夏バテは暑さだけが原因ではありません。
いくら暑いとは言ってもクーラーを使いすぎれば余計に夏バテや夏風邪を悪化させます。
大切なのは夏には汗をかきながら夏野菜を食べて季節にあった過ごし方をすることです。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院