東洋医学から見た膵炎の原因と対処法
健康法
検査で膵臓が良くないと言われた。
お酒の飲み過ぎが不安だ。
下痢が続き、左脇腹の痛みがでてきた。
食事は不規則だ。
血液検査では発見される時には膵炎は進行していると聞いた。
こちらでは発見が遅れやすく静かに進行する膵炎の症状と対処法について書いています。
膵炎とは
慢性膵炎の早い時期の症状では腹痛や背部痛が主な症状です。
そのため胃腸の異常だと勘違いして薬を飲む人が多いので見落とされがちな疾患です。
その他にも、
- 吐き気
- 腹部膨満感
などがあります。
ですが、胃腸の異常よりも痛みはやや強い事が多く、一定以上に膵臓が破壊されると腹痛は軽減することが多いのです。
ですが、膵臓は本来の働きを失うと消化酵素の分泌が低下し、
- 体重減少
- 脂肪便
- 下痢
などの症状が起こり、糖尿病に発展する事も
男性の場合は圧倒的に飲酒が原因です。
ですが膵炎は飲酒歴がない人でも起こるので油断できません。
膵炎はまだ謎の多い臓器の一つで、自ら分泌した酵素によって自らの細胞が消化され炎症を起こすのです。
膵炎は20~40代の男性に多く見られます。
原因不明の場合は特発性膵炎と呼ばれ、慢性的な膵炎は主に50~60代に発症が多く見られます。
膵臓は糖質に脂質、たんぱく質の全ての消化酵素を出しています。
もう一つ重要なのは血糖値を下げるインスリンの分泌です。
そのため、血糖値の乱高下を招く生活は注意が必要です。
基本的には
- 暴飲暴食
- 天ぷらやカツなどの揚げ物
- クリームやチョコレートなどの脂肪食
などがお酒以外の原因になります。
最も状態が悪いのはお酒と一緒に揚げ物などを食べることです。
また、同じ膵炎でも、
急性膵炎の症状は、食後に突然起こる上腹部の激痛です。
その痛みは広く背中から上腹部の左やわき腹左肩へまで拡散するのが特徴です。
激しく血液まで吐くこともあるので血圧低下によるショック症状が出て命の危険にさらされることもあります。
急性膵炎の原因の多くは、
- 過労
- ストレス
- 夜更かし
- 暴飲暴食
などです。
中でも過労や夜更かしは最大の敵となります。
そのため仕事終わりに夜遅くまで飲み歩いていると膵臓の機能低下を起こします。
慢性膵炎は膵臓に繰り返し炎症が起こった状態です。
膵臓全体が硬くなって本来の働きが失われた状態です。
膵臓は消化力や血糖値の調節を担当するので、その機能が低下すると糖尿病にまっしぐらです。
東洋医学から見た慢性膵炎の原因
現代医学では膵炎の発見は遅れがちです。
なぜなら膵炎の基準となるアミラーゼとリパーゼの血中濃度は3日から7日で正常レベルに戻るため日にちが経っていると発見されづらくなるからです。
そのため東洋医学のように普段から繰り返す不調に注目することが大切です。
さらに脈診などから診れば膵臓の反応が弱っていることも多く、腹部の圧痛から判断することは可能です。
脈の弱りと腹部の圧痛から膵炎が判断できれば、膵臓の機能向上とあわせて食事指導を行います。
膵炎の食事療法は、
- 禁酒
- 禁煙
- 低脂肪食
- カフェインの制限
- 香辛料を減らす
などがあります。
特に男性はアルコールが原因の場合が多いので禁酒が重要です。
ですが、東洋医学では特定のものが悪いというよりも内臓を弱らせる生活が問題と考え、普段から出ている症状に注目します。
腹痛と下痢が続く人は要注意です。
膵炎の食事療法の基本は良いものをとるよりも、悪いものを減らすことが基本です。
そのため食事全体の量を減らすことも有効です。
東洋医学の養生法
実は東洋医学には膵臓の概念はありませんが、膵臓のホルモンの機能は腎にあり、消化酵素の機能は脾にあると考えています。
東洋医学では慢性膵炎による脾の機能低下には六君子湯(りっくんしとう)と呼ばれる漢方薬を用います。
六君子湯は
- 胃腸の弱り
- 食欲不振
- みぞおちのつかえ
- 疲れやすさ
- 貧血
などに効果があるとされています。
これらの症状はまさに慢性膵炎のと一致しており、実際に六君子湯が慢性膵炎の改善に効果があることが実証されています。
六君子湯の働きは胃腸の働きをよくして水分の滞りを解消します。
つまり身体の水分を滞らせている原因を取り除き、水分代謝を向上させる生活習慣が大切です。
身体の水分代謝を向上させ膵炎の養生法は、
- 腹八分目
- 冷たい飲み物を控える
- 寝る3時間前の食事は控える
などの消化器系にやさしい生活がメインとなります。
最も大切なのは良いものを取ることに加えて身体に悪い影響を与える生活習慣の改善なので、まずは生活習慣の改善から始めましょう。
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まとめ
急性膵炎の激痛とは違って、慢性膵炎は腹痛や下痢が主な症状となります。
そのため、普段から繰り返す不調に悩んでいる人は早期の対処が大切です。
良いものを取るよりも悪い生活習慣を改めましょう。
仕事の都合ですぐに改善が難しいという人は漢方薬に頼るのも一つの方法です。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院