東洋医学から見た肝臓が弱る原因とは
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに内臓整体で身体の体質改善を目指す整体師。
栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康とは何かを考えている。
木一郎(もくいちろう) 三人兄弟の長男
几帳面でリーダー気質、理論的だが怒りやすい面も。仕事大好きで競争に強い。備品を販売する会社の経営者で金代と水太の上司。
木一郎「最近、疲れがとれなくて…」
澤楽「木一郎さんは木タイプで体力はある方だから、疲れがとれないときは肝臓が弱っています」
木一郎「肝臓が弱るのはなぜですか?」
澤楽「今から肝臓が弱る原因と状態について説明しますね」
肝臓が疲労する原因はたくさんある
東洋医学の古典には血は魂(こん)を舎すとあります。
魂とは睡眠中に回復する精神面です。
つまり肝の疲れとは身体のみならず精神面の疲れとも言えます。
1,肝は生体の防衛を主宰し,各種機関を動員して外邪の侵襲を防止する。
2,肝は身体の中核となり、脳・目・手・足等の末端機関を指揮運用する。
3,肝は魂を蔵して精神活動の本となる。魂の衰弱は精神活動の異常を来たす。
5,肝は疲労と緊張の本となる。肝の低下は筋力を弱くし,筋の過労は肝を傷る。
7,肝は目を主る。肝が弱わると目がわるくなり,目の過労は肝に影響する。
10,怒のような強靱な感情の持続は肝を傷る。
~素 問 霊 枢 に 示 さ れ た 肝 の 生 理 に つ い て~より一部抜粋
東京高等鍼灸学校 柴 崎 保 三
簡単に言うと肝臓が弱る原因は、
- 脳疲労
- 筋疲労
- 眼精疲労
- 精神疲労
などと書いています。
脳疲労とは、頭脳労働が増えて身体を使わなくなった現代人に最も多い症状です。
さらに、寝る直前までスマホをいじったり、パソコンやテレビのライトを浴びることで目も脳も過労の状態に陥っています。
筋肉の分解・合成を担当しているのが肝臓で、さらに筋肉は分解されると尿酸が発生し現代版の痛風に陥る人も増えています。
急に怒りやすい人が増えているのは肝臓の作業超過と考えられています。
肝臓における代謝が盛んになればなるほど、体内では大量の熱が発生します。
この熱は、発散されなければ頭に昇りイライラしやすくなり緊張状態を作ります。
このような状態を、東洋医学では肝胆湿熱と呼ばれます。
普通なら、
- 夏は汗をかく
- 冬なら外気で冷やされる
などで熱は発散されます。
しかし、過剰な空調で体温の調節機能が狂っていると、熱を発散する機会を失ってしまいます。
精神疲労の多くは、発散できずに溜まったストレスから起こります。
精神疲労というものは、
- 口に出せない
- 酸素不足
などから起こります。
言いたいことを我慢したり、身体を動かさずに頭ばかり使ったりしていると精神的な疲労が溜まっていきます。
スポーツが身体に良いのは、脳に偏った血流を全身に再分配する極めて効果的な方法です。
そのため、肝臓が弱っていると感じる人は、身体に良いものを摂ろうとするよりも、ウォーキングなどの軽めの運動で全身への血流を促すのが大切です。
身体を動かして肝臓を元気に
澤楽「木一郎さんは、働きすぎという問題もありますが、身体を動かす機会が減っているのも問題です」
木一郎「なるほど!確かに、頭を使ってばかりで運動していませんでした」
「これからは、通勤の時だけでも一駅分は歩こうと思います」
*木タイプの木一郎は、代謝が盛んな分だけ無理がききます。それだけに無理をしやすく、本人も自覚できないうちに、回復が間に合わないほどの疲労を溜めてしまうのが特徴です。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院