東洋医学から見た腹水の原因と対処法
健康法
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに経絡内臓整体で身体の体質改善を目指す鍼灸マッサージ整体師。 栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康を実践している。プラチナ経絡整体で様々な疾患を解消しています。
「今日は、痩せ型で食事は摂れないのにお腹が出る人の原因についてです」
「そんな人は腹水かもしれません」
「今回は、そんな腹水の原因と東洋医学から見た対処法について書いています」
腹水とは
腹水は、少量の時は自覚症状はあまり見られません。
大量になるとお腹が膨らんできます。
主な自覚症状としては、
- 食事がとれない
- 吐き気が出る
- 息苦しい
- 足がむくむ
などが出てきます。
腹水が溜まると、心臓や肺、胃などに圧迫をかけてしまいます。
腹水が溜まる原因は、
- 腹水が過剰に産生される
- 腹水の排出が妨げられる
のどちらかです。
腹水は、つねに少量は存在していますが、大量になると問題を起こします。
特に腹水が増加するときに関係しているのは、血管内圧の上昇とアルブミンです。
お腹の中の血管の圧が高いと、不要になった腹水を血管の中に引き込めなくなり、腹水を排出できなくなります。
さらに、血管の圧が高いことで、逆に血管から水がしみ出て腹水が増える原因にもなります。
腹水の排出がうまくできないもう1つの原因がアルブミンの減少です。
アルブミンはたんぱく質の種類で、血管の中の水分量を保ったり、余分な水分を血管に取り込む役割をしています。
このアルブミンが不足すると、腹水の血管内への吸収ができずに腹水が溜まります。
この両方の原因がおきる代表が肝硬変です。
基本的に、肝臓の機能低下は腹水の原因となります。
また、腹水を作ったり排出したりする役割の腹膜に炎症が起きると、腹水が増加することがあります。
腹水の主な治療
腹水の治療は安静と塩分制限になります。
そして、腹水を尿として排出するための利尿剤を使用します。
安静にして横になっていると、
- 腹水の産生が減る
- 余分な水分を尿として排出しやすくなる
などの効果が期待できます。
症状が強く、急いで腹水を減らす必要があるときには、お腹に針を刺してある程度の腹水を排出することもあります。
アルブミンの不足が腹水の原因である場合は、血液製剤であるアルブミンの点滴を行うこともあります。
東洋医学から見た腹水の対処法
東洋医学から見れば、腹水の原因には低栄養状態があります。
長期間の蛋白質とエネルギーの両方が不足することで起こります。
つまり、蛋白合成の原料も少なければ、合成するエネルギーも少なく、身体は飢えた状態にあります。
この状態にあると、著明な体重減少が見られ、脂肪及び筋肉組織の減少が起こります。
ここでポイントとなるのが、この時点ではアルブミンが正常値を保ち、浮腫も起こらないので検査には引っかからないことです。
飢餓や消化管障害により長期間の栄養摂取できない状態に見られる腹水です。
また、エネルギーに対して蛋白摂取が不足した状態でも、貯蔵エネルギーである脂肪は減らず蓄積され、皮下脂肪は保たれて脂肪肝となることがあります。
この脂肪肝が、さらに腹水を悪化させます。
これは、低蛋白血症からの浮腫や腹水を伴った状態となります。
そのため、腹水の根本的な解消にはタンパク質の摂取が欠かせません。
ですが、胃腸が弱った状態ではタンパク質の消化と吸収が上手くいかないので、消化しやすい鶏肉や白身魚がおすすめです。
また、よく噛んで食べることも大切です。
基本的に、生クリームなどの脂肪が多いものは控えましょう。
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腹水には肝臓を元気にするたんぱく質❗
腹水の原因は、肝臓の機能低下が主な原因ですが、肝臓を弱らせるのはタンパク質の不足です。
そのため、胃腸が弱い人は鶏肉や白身魚を意識して摂りましょう。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院