東洋医学で体質改善!肝虚(木タイプ)の養生法
肝臓
睡眠不足で身体が弱るのは何故か?
寝なくても元気な人は何が違うのか?
そんな疑問を持った事はありませんか?
東洋医学では、この差を肝臓の強さの違いと捉え、弱っている時は肝虚と呼びます。
そこから、睡眠と身体の関係について書いています。
東洋医学における肝臓
西洋医学なら肝臓の主な働きを
- 有害物質(疲労・アルコール・薬剤)の解毒(分解)
- アミノ酸の合成(非必須アミノ酸など)
- ホルモン分泌
- 胆汁の生産
と定義されます。
また、機能の弱った肝臓は胆汁が上手く分泌されず、
- 脂質
- ビタミンA, D, E, K
の吸収が妨げられます。
脂肪便を排出し食欲減退するなどの症状が発生して脱力感を感じるようになるのです。
数ある臓器の中でもっとも温度が高いのは肝臓です。
その温度は、通常41℃以上です。
肝臓は細かい作業を含めると、実に500以上もの仕事をしているため、その過程で発生する熱が多いためですね。
そのため、全体の血液量の10~15%も臓器内に含んでいます。
肝臓はさまざなホルモンの分解と代謝に関わり、体内のホルモン濃度を調整する機能があります。
ホルモンの血中濃度が高すぎると、肝臓はホルモンを分解するよう働きます。
そして各ホルモンの濃度が適正になるように調節します。
肝臓がホルモンを代謝する際には、グルタチオンというアミノ酸が必要で、アルコール分解にも使われています。
さらに、エストロゲンの分解にも使われているので、女性のホルモンバランスの乱れの原因になります。
胆汁もエストロゲンの分解に関わっています。
もともと胆汁は、脂肪の分解に関わっているので、脂質の多い食事で、胆汁の分泌が追いつかなくなると、エストロゲンの分解が不十分になってしまうのです。
- アルコールにグルタチオン不足
- 脂質の多い食事による胆汁不足
この二つは女性のホルモンバランスの乱れを助長します。
東洋医学では
- 血の配分を担当する
- 筋肉の調整をする
などと幅広く考えられますね。
必要なミネラルは、
- 亜鉛
- マグネシウム
- クロム
- セレン
などがあります。
爪は共通しますが違いもあり、特に目と関係が深く理論性を主ることは独特の見方と言えます。
しかし、血の巡りが悪ければ目は充血しやすいので一つの目安になりますね。
また腸で吸収された栄養分や老廃物は、静脈を通って肝臓に集められます。
つまり、顕微鏡も無い時代に、東洋医学では、肝臓の働きを経験的に理論立てられており、治し方も経験的に理解されていました。
次は東洋医学における肝臓の強化法について書いていきます。
肝臓の強化法
肝臓に力を与えるものとして海産物が挙げられています。
海産物にはタウリンが含まれ肝臓の代謝を促します。
また、肝臓を元気にするものとして、緑の野菜で春が旬のものが良いとされました。
実際に春が旬の緑の野菜には、スルフォラファンなどのフィトケミカルが含まれ肝臓の機能を亢進させ保護する機能が認められています。
野菜の色や旬は含まれる栄養素が反映されるので、五行色体表における分類は西洋医学からみても有効と言えますね。
特にスプラウトのサラダや、貝のみそ汁などは肝臓の回復に効果的なので積極的に摂りましょう。
知られざる肝虚と睡眠の世界
東洋医学の睡眠の考え方は、身体の水分を充実させる時間としています。
中でも、夜のうちに血は肝に戻るとされています。
実際に、肝臓の血液貯蔵量は、内臓の中で最も高い。
レバーが、貧血の人に良いのは、血液の成分が最も含まれているからですね。
また、肝臓は目の粘膜の材料を作るので、不眠の人は目の粘膜が足りず、修復のために目に血が集まっている状態ですね。
肝虚の状態は肝臓に血が戻って来ない状態なので不眠以外にも倦怠感などが強く出ます。
そのため、睡眠が短い人は肝虚を呼び、肝虚の人は睡眠を呼べない状態ですね。
こんなタイプは肝虚に気をつけよう
- 夜遅くまで仕事をする
- 夜勤と日勤でリズムがばらばら
- 食事が偏っている
- 目を使いすぎている
これらの状態にある時に、血液は不足しやすく肝血虚となりますね。
肝血虚とは、肝臓へ血が戻るタイミングを失っているために、肝臓での代謝が滞っている状態です。
頭に血が昇った状態では、寝つきが悪くなるので、不眠の状態に陥る原因ですね。
結果として肝血虚の人は
- 瘦せ型
- 冷え性
- 低血圧
な人が多いですね。
体質改善には、まず十分な睡眠が重要です。
可能なら6時間以上の睡眠をとり寝る3時間前の食事は控えましょう。
そして、睡眠のゴールデンタイムは22時から2時になるので、意識して眠ると睡眠の質が上がりますよ。
意識して摂りたい肝虚の食養生
まずは代謝を促す緑の野菜が良いですね。
- ピーマン
- ほうれんそう
- 小松菜
- ブロッコリー
- キャベツ
などを摂りましょう。
また、酸味は老廃物の排泄を促すので、積極的に摂りたいですね。
緑の野菜を、漬物やピクルスにして頂いたり、
酸味の果物である
- りんご
- すもも
- 梅干し
などは身体も温めるので春先は特に良いですね。
また、ハーブティーもお勧めです。
ドイツでは、肝機能障害に効果を示すハーブとして有名なのがアーティチョーク。
ベトナムでは、アーティチョークを肝臓に効果のある、薬草茶として二日酔いを防止するためにも利用されています。
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まとめ
睡眠不足で問題となるのは、肝血虚という状態です。
血が戻らないので、肝臓は本来の働きを失い虚(機能低下)します。
肝臓を元気にするために、弱りやすい木タイプの人は、特に意識して
- 緑の野菜
- ハーブティー
を摂りましょう。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院