痰湿と湿熱、津液(水分)不足は食事よりお茶で改善しよう
パパッと薬膳
お茶
水分の補給はこまめにした方が良いですが、水が苦手な人はお茶で摂りましょう。
季節によってお勧めのお茶は変わるので、こちらでは効能とともに紹介していきます。
特に湿熱と呼ばれる状態の改善には効果的なので、まずは湿熱の状態から。
身体に熱がこもる湿熱の状態とは
水分も熱量も身体には必要なものですね。
人は動くためには一定の体温が必要なので、身体は常に熱を作ります。
ですが熱が高くなりすぎても困るので、水分で身体を冷やして潤します。
また、排尿は身体の熱を出すための行為でもあるので、熱がこもりやすい人ほどトイレは近くなりますね。
ですが暴飲暴食が目立つ人は、熱に加えて老廃物も過剰になりやすいため、排泄するための水分の流れをドロドロにします。
結果として、配水管がつまったような状態になり、身体に異常を起こす状態を湿熱と呼びます。
健康的な人は、水分がサラサラの状態なので老廃物は速やかに排出され、熱が体内にこもる事はありません。
時期的な要因もありますが、昔の人は植物の力を借りる事で体調を整えていました。
浮腫(むくみ)とは水分の滞りですが治し方はわかりますか?
改善には、リンパマッサージやサウナで汗をかくなど、何となくイメージはあると思いますが、痰湿(むくみ)の原因となるとどうでしょう。
痰湿(むくみ)を体質のように考えて、諦めている人も多いですが、日々の生活で原因を見逃しているだけですね。正しく対処すれば、痰湿(むくみ)は改善できますよ。
解剖学的な浮腫(むくみ)は三種類
浮腫には、三種類あります。
原因で分けると肝臓と腎臓、心臓があるので見ていきましょう。
肝機能の低下で起こる場合
肝機能の低下とは浸透圧の調整が出来ていない状態です。
原因は、血管内に水分を留めておく、アルブミンというタンパク質の減少です。
アルブミンが減少する原因としては、ウィルスや慢性肝炎、アルコールの飲み過ぎによる肝臓病などがありますが、肝臓は沈黙の臓器と言われるように、自覚症状はほとんど無いのが特徴ですね。
腎性浮腫
腎臓がかなり破壊されないと腎性浮腫は発生しません。むくみが出るということは、かなり重症ということになります。
腎機能の低下で、余分な水分やナトリウムを排泄できず、体に滞ります。この水分と老廃物がむくみを形成するのです。
腎臓は、老廃物を排泄する臓器ですが、老廃物が多すぎると血液中のタンパクが大量に尿にろ過され浮腫が出ます。
タンパク質の過剰摂取には注意しましょう。
心性浮腫とは
うっ血や肺水腫などが原因で、起こる浮腫を指します。
心不全の症状の一つと言えますね。
心臓の機能が、低下する事で起こり、腎臓の働きも悪くします。
肺循環に障害が出ると、全身が浮腫み全身循環に障害が出ると、肺に水が溜まり呼吸困難に陥ります。
心性浮腫の場合、身体を横にすると浮腫がマシになるのが特徴ですね。
心筋梗塞や動脈硬化も原因になるので、塩分や糖質、脂質を控えてバランスの良い食生活が重要ですね。
東洋医学の浮腫(痰湿)
東洋医学では浮腫の事を、痰湿(たんしつ)と言います。
余分な水を「湿」とし、動きが悪くなる状態を「痰」とします。
暴飲暴食や、寝る前の食事を繰り返すと水分の移動が悪くなるとしています。
特に土タイプと金タイプに多いですね。
体質としては、浮腫以外にも色白で皮膚は柔らかく肥満体質が特徴ですね。
余分な水分を排泄するために、下痢をしやすく、季節の変わり目に体調を崩しやすくなります。
結果として、手足の冷えや、倦怠感も強く出やすいですね。
また、余分な水分を東洋医学では水毒(すいどく)と呼び、花粉症などのアレルギーの原因と考えています。
改善には、消化の良い野菜中心の生活にして、炭水化物や甘い物は控えて有酸素運動を心がけましょう。
また、貝類や海藻類を入れた味噌汁は相性が良いですよ。
季節ごとのお茶
木タイプ(春)
香りのある緑茶が良いですね。
木タイプは肝が亢進しやすいので、自律神経系が乱れやすいので整えてくれる緑茶は春先にぴったりです。
栄養学から見ると、
- 利尿作用
- 喉の渇きをいやす
- 加え自律神経を整える
効果があります。
- のぼせによる頭痛
- 食べ過ぎによる消化不良
を改善します。
強い抗菌作用があるので、春に多い感染症の予防にも効果的です。
ただし、身体を冷やす効果が強いので冷え性の人や冬場はさけた方がよいでしょう。
火タイプ(夏)
夏は水分を失いやすいので津液(水分)不足に要注意。
同時にミネラルも失いがちなので、補給しやすい麦茶を選びましょう。
麦茶は大麦を炒って煮出したものでノンカフェインです。
子供も妊婦さんも安心して飲めます。
身体にこもった熱をとるので、熱中症の予防に効果的です。
ミネラルが豊富なので血流も改善します。
土タイプ(季節の変わり目)
季節の変わり目には、身体に湿熱がこもりやすいので排泄するハトムギ茶を選びましょう。
優れた栄養バランスに加え
- タンパク質
- ビタミンE
を豊富に含み老廃物を排出する作用があります。
むくみや水太りの解消にも役立つので、痰湿が多い土タイプにはお勧めです。
また、女性ホルモンの働きを活発にするので、美容にも期待できハーブティーとしてもお馴染みです。
金タイプ(秋)
身体を温めて利尿作用のある紅茶で、乾燥から身体を守りましょう。
紅茶は、
- 身体の冷え
- 憂鬱な気分
を改善するので金タイプにお勧めです。
発酵茶で成分が優しいので胃の弱い人でも飲みやすいですね。
高い殺菌作用もあるので風邪予防にもなります。
特にミルクティーは精神を安定させる作用が強いので、夜に眠れない時は良いですよ。
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水タイプ(冬)
身体を温めるほうじ茶を選びましょう。
テアニンという成分で脳がリラックスします。
緑茶を焙じて火を通すので、カフェインの量も減っています。
身体を冷やさずに、ミネラルの補給が出来るのが特徴ですね。
まとめ
今は色々なお茶がありますが効能は様々です。
季節によって必要な成分は変わってきます。
タイプによって、体質に合ったものを選ぶのが良いですね。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院