身体を整える万能食材の一つで気(代謝)と血(栄養)を補い体調を整えます。さらに津液(水分)も潤すので医者いらずと言われるのも納得ですね。
昔からの医者いらずと言われる薬膳
医者いらず
現代は多くの食品が溢れているので、本当に価値のあるものはなにか分かりません。
まして、身体に良い食品を探せば、様々な名前が挙がるでしょう。
こちらでは、温故知新の考えから、昔から「医者いらず」と呼ばれた食材の特徴を考えてみました。
医者いらずと言われるのは、
- りんご
- 大根
- 柿
- みかん
- トマト
- 梅干し
- サンマ
などが有名です。
諺の中にも、
- 1日1個のリンゴで医者いらず
- 柿が赤くなると医者は青くなる
- 大根どきの医者いらず
- サンマが出ると医者がひっこむ
- トマトが赤くなると医者が青くなる
- 梅はその日の難のがれ
- みかんが黄色くなると医者が青くなる
などがあります。
りんご
唾液などの分泌を促進し肺を潤し熱をおさめます。
陰虚(水分不足)の人に特に合いますが果物の中ではかなり万能タイプだといえます。
腸内環境を改善し保水効果で脱水症も防げます。
身体の気・血などを補い、身体を丈夫にし、病気に対する抵抗力を高める食材です。
現在はりんごが持つフィトケミカル(ポリフェノールやペクチン、カテキンなど)が人の健康を守り、ガンを予防する効果が期待されています。
また、ペクチンが腸内の悪玉菌を減らし、ビフィズ菌や乳酸菌といった善玉菌を増やして大腸ガンの発生を抑えます。
そのほかにも、りんごを食べるとコレステロールや中性脂肪が低下し、その結果、動脈硬化を防ぎ脳卒中や心臓病の発症を抑える効果があります。
また、りんごを多く取っている人は、
- 喘息
- 気管支炎
- 肺気腫
にかかりにくいことも報告されています。
そして注目なのは、りんごにはビタミンCはあまり多く含まないのですが、りんごを摂取したあと、血液中のビタミンCの濃度が34%も上昇したという研究報告があり、りんごはビタミンCが効率よく吸収される何らかの成分をもっていると考えられています。
大根
大根の旬は11~2月ごろです。
漢方の世界でも扱われる機会が多く、春の七草の一つスズシロの名で知られ、消化作用が高い事で有名です。
水毒の改善に効果があるので、
- 冷え性
- 花粉症の軽減
- 二日酔い
- ストレス
- 肩こり
などの改善にも効果があります。
気逆を治すことにも効果があるため
- 咳
- 痰
- 吐き気
を止める作用もあります。
根菜類には珍しい熱冷ましの効果があるからですね。
ニキビや肌荒れにも効果があり金タイプに必要な白い野菜の代表です。
ジアスターゼと呼ばれる消化酵素は加熱に弱いので、生で食べることが基本で大根おろしが効果的なので、秋刀魚とのセットは秋の強い味方です。
切り干し大根は代謝亢進の作用もあるので代謝が落ちてくる秋や冬に最適なメニューです。
大根は生で食べると身体を冷やす性質なので、刺し身のツマで熱を持った胃を整えます。
主に胃腸の経絡に働くので、消化機能を促してくれます。
- 胃酸があがってくる
- しゃっくりが出る
- 胃がキリキリと痛む
- 咳止め
- 去痰
などの時(胃熱)は大根おろしを飲むと炎症を鎮めてくれます。
にもよく効きます。さらに、煮ることで気を補い脾と胃を強くする。
柿
渋み成分のタンニンには毛細血管の浸透性を高める作用があり、水分代謝を調整します。
熱を下げるので、
- 二日酔いの頭痛
- 吐き気
- しゃっくり
- 咳
- 喘息
を改善します。
秋から冬にかけて空気が乾燥してくると、乾いた空気が肺を犯します。
これには、肺の乾燥を水分で補っていかなくてはなりませんが、この時期にちょうど旬を迎える柿には、肺を潤し、咳を止める効果があります。
柿には鼻、喉の粘膜を健やかに保つビタミンAや風邪予防に役立つビタミンCが豊富に含まれています。
もうひとつは高血圧によいということ。
生の柿でも、干し柿でも、柿の葉のお茶でもその効果が期待できます。
昔ながらの民間療法では柿渋が高血圧、脳卒中の特効薬とされてきました。
みかん
みかんは薬用果実として有名です。
皮は乾燥させると陳皮(ちんぴ)という漢方薬になり、七味唐辛子にも含まれます。
特に痰を伴う咳に効果的です。消化器系の熱を散らします。
ビタミンCの含有量が豊富で、1日3個で成人の1日必要量を摂取できます。
そのほかにも、
- ビタミンA(カロチン)
- ビタミンP
- カリウム
- ペクチン
- クエン酸
などが含有されています。
食物繊維やビタミンは袋やすじに多いのですじごといただきましょう。
トマト
体内の津液(水分)は絶え間なく循環することによって気(代謝)から産まれた余分な熱を冷ます役割を果たします。
そのため津液不足になると口や喉が渇いたり便秘になったりします。
夏は津液不足になりやすいのでトマトは必須ですね。冷たい水を摂るより健康的に身体を潤しますよ。
また目の渇きやイライラなどは余分な熱が頭に昇った状態なので、そんな症状も改善します。
梅干し
5~7月が旬で酸味の食材には引き締め効果があります。
筋肉を引き締めて汗や尿などが出すぎるのを止めてくれます。
つまり、
- 下痢
- 頻尿
- 不正出血
- 早漏
などにも効果ありですね。
また梅は三毒を断つと言われ
- 水分代謝
- ドロドロ血液
- 胃の不調
を改善します。
脱水症状の時は水分と合わせて梅を摂ると良いですよ。
梅は海産物に多い旨味成分のコハク酸を含む食材です。
コハク酸は細胞の血管新生を抑制することから、ガン細胞の増殖を防止する効能があると期待されています。
コハク酸は貝類に含まれるうま味成分の一種。
食品添加物としても使用されるほど、強いうま味を持つのが特徴です。
サンマ
アミノ酸の種類と量は魚の中でもトップクラス。
脂肪は凝固しにくい不飽和脂肪酸が中心でEPA(エイコサペンタエン酸)を含み、
- 血液中のコレステロール低下
- 血液の流れを良くして血栓をできにくくする
などの効果から怖い動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞から守ってくれます。
加えて、DHA(ドコサヘキサエン酸)には、
- コレステロールを抑える作用
- 脳細胞の成長をうながす
などの効果から脳を活性化しボケを防ぐ働きが期待されています。
また、脂溶性ビタミンのA、D、Eが多く含まれ、
- 皮膚・粘膜や目の健康
- 骨粗鬆症予防
- 抗酸化によるガン・老化予防
などの効果も期待できます。脂溶性ビタミンの吸収率の高さも特徴です。
栄養の代謝を促進するB群のなかでは、貧血予防に良いビタミンB12が多いのが特徴的です。
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まとめ
昔は薬がありませんでしたから、積極的に身体を良くする旬のものを摂っていました。
最近は、旬が分かりにくくなってきていますが、意識して摂ると季節ごとの不調を予防・改善することが可能なので、ぜひ摂ってみてください。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院