漢方を普段の食事に入れるなら茯苓(ぶくりょう)はキノコ類
パパッと薬膳
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに内臓整体で身体の体質改善を目指す整体師。
栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康とは何かを考えている。
土樹(どき) 二人兄妹
人間関係を重視してボランティア大好き、土麻のお兄ちゃん。想像力が豊かで歴史もののマンガが大好き、栄養学を教える大学教授。
土麻(どま) 二人兄妹
癒し系でのんびりや、食べることが大好き、澤楽の整骨院の受付嬢
インドア派でカラオケが趣味、患者さんに健康体操やツボを教えている。
澤楽「今日もお疲れ様です」
土樹「今日もクタクタなのでよろしくお願いします」
澤楽「任せて下さい」
土麻「また来たの」
土樹「そんな言い方しなくても( ノД`)シクシク…」
澤楽「まあまあ、そうだ今日は施術しながら漢方の材料のお話もしますね」
キノコと茯苓
長い漢方の歴史の中でもキノコは古来より生薬として使われていました。
霊芝(マンネンタケ)は歴史的にも知名度が高いキノコですが、その他にも猪苓(ちょれい)や茯苓(ぶくりょう)もキノコです。
ブナやモミジの根に寄生する猪苓は利尿や解熱、止渇剤として利用され、松の根元に出る茯苓は心悸亢進や筋肉のけいれん、めまいなどの実証に処方されます。
基本的にキノコは痰湿や瘀血などの身体のむくみや滞りを改善します。
その他にも有名な所では椎茸が医療に用いられた記録があります。
江戸時代でも椎茸は盛んに薬として使われ、気を補い、瘀血(おけつ)を治すと考えられていました。
現代風に言うならば代謝を盛んにして血液をサラサラにする効果が椎茸には期待されていたのです。
ヨーロッパでもキノコを薬用とする歴史は古く、紀元1世紀のギリシャの医師ディオスコリデスが記録を残しています。
また自然医療が盛んなドイツでは、樹木に生えるキノコ6種類を薬として書物を残しています。
キノコには多糖類に分類されるβ-グルカンが含まれ、最もすぐれた薬効を持つ栄養なのです。
このβ-グルカンは他の多糖類とは比較にならないほど高い免疫効果があります。
薬用として有名なアガリクス茸は特にβ-グルカンが豊富で、他にもビタミンB2・Dやミネラルが含まれます。
普段の食卓に並ぶキノコとしては、
- シメジ
- 椎茸
- 舞茸
- 松茸
などがありますね。
実はどれも栄養が豊富で漢方でも使われていたりするんです。
シメジはオオヒラタケとも呼ばれ豊富なアミノ酸に糖質とリン酸が含まれており平安時代から貴重なエネルギー源として親しまれていました。
椎茸は特にエルゴステリンというビタミンDの元となる成分が豊富です。
他にも蛋白質や多糖類、ビタミンB群や食物繊維、ミネラルなどが豊富で免疫力の向上に効果があると注目されています。
また椎茸には出汁となるグアニル酸が豊富なので、昔から出汁をとるのに使われてきました。
そして舞茸はサルノコシカケ科に属し茯苓や猪苓、霊芝と同じ種類です。
そのため舞茸の栄養価は非常に高く、天然の舞茸は非常に高価になります。
豊富なβ-グルカン、ビタミンB1・B2・Dに加えて亜鉛や銅といったミネラルに豊富な食物繊維が含まれます。
最近の研究ではβ-グルカンは、ガン治療の化学療法剤による副作用を軽減することが報告されています。
松茸も同様に多くのビタミンを含んでいます。
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まとめ
土樹「キノコの栄養価の高さは知っていましたけど漢方の原料にもなっているんですね!」
澤楽「そうですね。案外、普段から食べている物の中には薬食同源のものは多いんですよ」
土樹「改めてキノコが好きになりました」
土麻「じゃあ、お兄ちゃんは痩せるまでキノコ料理で十分ね(笑)」
土樹「お肉も食べさせて( ノД`)シクシク…」
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院