土樹のピンとくる生理学は腸の仕組み
ピンとくる栄養学
だから分かっているつもりでも意外と知らないこともおおくあります~。
今回はそんな腸について解説します~
大腸で作られる便の内容
大腸の主な仕事は便を作ることです。
便の成分は
- 水分
- 腸内細菌
- 剥がれた粘膜
- 食べ物の残りかす
で構成されています。
その中でも60〜70%程度が水分です。
次に腸内細菌と剥がれ落ちた腸の粘膜を合わせて30%程度と言われます。
基本的に食べ物の残りかすは5%ほどに過ぎないので、食事量と排便量は比例するとは限りません。
絶食をしても便が出るのはこのためです。
腸粘膜上皮の細胞は常に新陳代謝を行い、最速では1日で古い細胞が死んで新たらしい細胞が生まれます。
なぜなら小腸は飲食物だけでなく、ウイルスや細菌などのストレスに常にさらされているからです。
小腸の表面には吸収効率を最大限にする絨毛(じゅうもう)と呼ばれるヒダが存在します。
そのヒダの間の窪みから常に新しい細胞が生まれています。
ヒダには三種類の細胞があり頂点に近いところから
- 栄養や水分を吸収
- 粘液を産生しバリアー形成
- ホルモンを産生し腸管の運動制御
などの違った働きをします。
これらの細胞はい非常に短命で、腸管上皮は数日でほぼ全てが新しい細胞に置き換わります。
ストレスの多い細胞は癌化しやすいので、短命にして新たに生まれ変わる事で癌化の危険を防いでいます。
腸管上皮の活発な新陳代謝は幹細胞に支えられており腸内環境にも左右されます。
腸内環境の重要性
菌には様々な特性があり、腸粘膜の新陳代謝を遅らせるものもあります。
そんな腸内細菌は人間の腸の中にはおよそ1000種類も存在し、数にして1000兆個もの腸内細菌が生息するとされています。
1000兆個の腸内細菌の総重量は約1.5kgほどとされます。
腸内環境は赤ちゃんの時に与えられる母乳によって形成されます。
母乳で育った赤ちゃんに比べて人工ミルクで育った赤ちゃんは約4倍の死亡率があるとの報告があります。
この乳児の死亡率を左右しているのがビフィズス菌と考えられています。
ビフィズス菌は母乳で育った赤ちゃんのうんこに多く存在していることが分かっています。
そのため腸内のビフィズス菌を旺盛にするためには、母乳に多く含まれる乳糖やオリゴ糖などが有効だと考えられています。
ビフィズス菌は乳糖やオリゴ糖などを分解して、乳酸や酢酸を産生し腸内のpHを酸性に保ちます。
腸内のpHが酸性に保たれると、花粉症などアレルギー症状の緩和に役立つことが分かっています。
食物繊維は大腸内の腸内細菌で嫌気発酵され、一部が酪酸やプロピオン酸のような短鎖脂肪酸に変換され大腸のエネルギー源となります。
普段から低カロリーで食物繊維の豊富な食生活を送っていると、この大腸での発酵で生成された短鎖脂肪酸が日常生活の重要なエネルギー源となることが分かっています。
また大腸における腸内細菌は、
- リボフラビン(ビタミンB2)
- ナイアシン(ビタミンB3)
- パントテン酸(ビタミンB5)
- ビタミンB6
- ビオチン(ビタミンB7)
- 葉酸(ビタミンB9)
- ビタミンB12
- ビタミンK
などのビタミン類を生産することでも知られています。
つまり普段からビタミン不足に陥る人は腸内環境が乱れていると言えるのです。
だからビタミンBに関しては、ビタミンBの摂取よりも食物繊維を摂取することが大切なんです~。
腸内環境を整えれば免疫も上がるのでやってみて下さい~。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院