東洋医学と西洋医学から見る気滞とは
東洋医学と西洋医学の違い, 気・血・津液
東洋医学の気滞
東洋医学はよく分からない。
気って本当に存在するの?
そんな話をよく聞きます。
しかし西洋医学の観点からみれば気は案外に理解できます。
こちらでは気がイメージできるように西洋医学の観点も踏まえて説明し自律神経失調症の原因にもなる気滞(きたい)にも触れていきます。
西洋医学からみた気とは
東洋医学が言う気とは身体中を巡って恒常性の維持を可能にするものと考えられます。
ところがストレスや心配事などが続くと気の巡りが悪くなり、この状態を気滞(きたい)と言います。
これって自律神経の説明とほとんど同じですね。
東洋医学が誕生したのは2000年以上前なので、神経という概念は存在しませんでした。
そのため気というイメージで説明したのでしょう。
東洋医学で重要視するのは、原因の特定では無く症状を根本的に治せるかどうかでした。
なぜなら、東洋医学の始まりは王様を治せてなんぼだったからです。
治せない医師は打ち首になりますし、症状を悪化させようものなら重い刑に処されます。(怖)
西洋医学なら治った人が多いという統計学を採用するので、王様が治らなくても治療方針は変えません。
次は東洋医学でいう気滞の症状について書いていきます。
気滞の主な症状
気滞の状態を放っておくと、
- ストレスに弱くな
- 血の巡りが悪くなる
などを繰り返す悪循環に陥ります。
また、だんだんと心身ともに慢性疲労の状態になります。
これは西洋医学なら副腎疲労と言えるでしょう。
東洋医学なら舌を見ますが、両側が赤くて中央に白い舌苔(ぜったい)がついているのが診断基準です。
また 女性の場合、生理前の月経前症候群(PMS)と呼ばれる
- 情緒不安定
- イライラ
も気滞に分類されます。
自律神経失調症の症状としては、
- 身体の一部が痛くなる
- 具合が悪くなる
- 精神的に落ち込む
などで、人によって様々ですが気滞の説明とほぼ同じです。
そして自律神経失調症は正式な病名ではありません。
自覚症状があるのに、検査をしても異常がみつからない時に診断されることが多いので、診断される人が増えているとも言えますね。
患者本人や周囲の人はこの点も十分に留意しましょう。
自律神経系の症状として、排便や排尿にも異常が出やすくなります。残便感や残尿感がそうですね。
また夜にトイレで起きるのは自律神経が乱れている証拠です。1回くらいは普通ですが毎日、
起きたり2回以上のトイレがある時は自律神経の乱れを疑いましょう。
人によっては下腹部を押したときに圧痛を感じるのも特徴です。
次は東洋医学における気滞の治療法を紹介します。
気滞の治療法
気滞の特徴として、
- 頭はのぼせる
- 手足は冷える
- 便秘やおならが多い
- 食欲はある
などがが多いです。
そのため、まずは
- 脂の多いものは避ける
- あっさりとしたものを中心に摂る
- 水分を多く摂る
などを心がけましょう。
- 辛い物
- お酒
- 肉類
などは身体の熱が強くなるので控えましょう。
イライラすると甘い物が欲しくなりますが、気滞の時には良くありません。
甘味は果物などの自然なものから摂り、ガムなどを噛んで口を動かし唾液を多く出すと、イライラも収まりやすくなります。
そして香りのある野菜や果物を摂りましょう。
- ミカンなどの柑橘類
- セロリやパクチー
などの香りのあるものが良いですね。
香りのある野菜は、臭いで自律神経を整え、柑橘類の果物は酸味と香りで自律神経を整え気滞の症状を緩和してくれます。
また、
- ジャスミンティー
- カモミールティー
などの香りも良いですよ。匂いは大脳の中枢に働きかけるので根本的な改善が期待できます。
ストレス食いと呼ばれる症状がありますが、これは食べる事でリラックスする副交感神経を刺激するための行動です。
ですが、副交感神経はすぐには働かないので、ゆっくりとよく噛んで食べる事が重要です。
食べない事がストレスになるようなら少し食べても構いません。
大切なのは、食べる事の効能を最大限に活かす事ですね。
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まとめ
気滞は自律神経失調症と似たような症状が出ることが多い。
原因は処理しきれない過剰な熱量が発生して身体が疲労していることにあります。
多くの人はストレスが溜まった時に暴飲暴食に走ることから発生します。
そんな時は果物の熱を下げる性質を利用し、ガムなどを噛むという行為で食欲を抑えましょう。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院