便秘を食事で改善するなら東洋医学の薬膳が一番!

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便秘に効く食べ物は何ですか?

そんな質問を聞きますが、大切なのは便秘に効く食べ物ではなく、便秘になる体質を改善する食材ですね。

医師が下剤を処方するのは、便秘を治すためでなく、患者の便秘による苦痛を一時的に緩和するためです。

こちらでは、便秘のタイプを分けて改善に必要な食材を書いていきます。

 

西洋医学における大腸の新常識

大腸は、水分を吸収して便を作ります。

便秘や下痢は、大腸の水分吸収の差によって生じます。

そして大腸は消化より、細菌による

  • 分解
  • 醗酵

を行います。

腸内細菌のバランスが崩れると、日常的に便秘や下痢を繰り返す体質になるので、偏食には注意しましょう

小腸では、多くのミネラルも吸収します。

主に、

  • Na(ナトリウム)
  • K(カリウム)
  • Ca(カルシウム)
  • Mg(マグネシウム)
  • Fe(鉄)

などは、小腸から大腸にかけて吸収されます。

 

モチリン

十二指腸粘膜から分泌されるペプチドです。

主な役割は、

  • ペプシノーゲンの産生亢進
  • 胃腸の運動亢進

空腹時にお腹が「ぐ~っ」と鳴ると、消化管に溜まった各種の消化液は大腸の方に押しやられ排便を促します。

東洋医学における知られざる大腸

大腸は、肺を助ける内臓とされます。

実際に、大腸では鉄分の吸収も行うので、肺で取り込んだ酸素を運搬するのを助けます。

また、呼吸による横隔膜の上下運動は、大腸の小腸より弱い蠕動運動を助けます。

金タイプの不調は、

  1. 呼吸が浅くなる
  2. 鉄分不足

が大敵ですね。

大腸の異常は、次のような原因で起こります。

 

大腸湿熱(だいちょうしつねつ)

食あたりや飲食の不摂生により、大腸に湿熱が溜まった状態です。

主な症状は

  • 腹痛
  • 下痢
  • 便の悪臭
  • 頻便

などです。

また、ストレスによる過敏性腸症候群などは実証と言われます。

高齢や虚弱体質などによる、体液の消耗から

  • コロコロ便になる
  • 口臭を伴う

ものを虚証と言います。

また、冷えやニキビが多く、下痢漏れが起こる人は陽虚(代謝低下)も起こっています。

意外に多い便秘の種類

血虚(木タイプ)

血虚(栄養不足)により、大腸での滞留時間が長いタイプ。

そのため水分量が少なくなり、便秘になっているタイプです。

血虚を補う食べ物が良いので、貧血改善の食べ物も良いですね。

  • ほうれん草
  • 黒ごま
  • レバー

などを摂りましょう。

 

気滞(火タイプ)

ストレスにより交感神経が優位となり、腸の蠕動運動がうまく起こらない状態

自律神経を整え、副交感神経を優位にすることが大切です。

  • ゲップがよく出る
  • イライラが続く

そんな時は要注意。

香りのある野菜や果物を摂りましょう。

  • ミカンなどの柑橘類
  • セロリ
  • パクチー

などの香りのある緑の野菜が良いですね。

 

胃腸湿熱(土タイプ)

食べ過ぎ飲み過ぎが原因で、胃腸に熱がこもっているタイプ。

土タイプに多く見られ、脂っこいものや味の濃いものを好む傾向にあります。

熱が溜まる事で便が乾燥して便秘になるので、腸内に十分な水分を取り戻すことが大切です。

口臭や便のにおいがひどい人は要注意ですね。

基本的にはカリウムと水分を多く含む果物がお勧めです。

  • バナナ
  • パイナップル
  • ぶどう

などを摂りましょう。

そしてアルコールや肉類を控え水分を多く摂る事が大切です。

 

大腸虚寒(金タイプ)

冷えることで腸の蠕動運動が弱まっているタイプ。

気(代謝)が低く津液(水分)の多い金タイプに見られる症状ですね。

他の便秘と少し違い、便意があまりないので、出ない日も多いが出るときは下痢になる事が多い。

身体を温め気(代謝)を補う

  • にら
  • コショウ

などの香辛料を摂りましょう。

お風呂で温めるのも効果的ですね。残便感が強い時は要注意。

 

気虚(水タイプ)

腎虚タイプの人が陥りやすい便秘です。

腸の筋力が低下し排便が困難になります。

特に老年の方や、出産後に多く見られるので身体の元気を補うことが重要です。

お腹にうまく力が入らない時は要注意。

  • 海藻類
  • 魚介類

などの自然の塩分を含むものが良いですね。

また魚介類は腎虚を改善するので積極的に摂りましょう。

大腸の働きを良くするツボ3選

①合谷(ごうこく)

人差し指と親指の骨の合流地点で.くぼんでいるところです。

この辺りを気持ちいいくらいに10秒ほど押して刺激します。

このツボは四総穴(しそうけつ)と呼ばれ最も有名なツボの一つですね

頭部や大腸の不調に効果があるので、

  • 便秘
  • 下痢
  • 首・肩のこり
  • 精神不安

などの症状も整えます。

②天枢(てんすう)

場所はおへその両横で、親指の横幅2本分ほど外側です。

ここは親指以外の4本を当てて30秒ほど軽く擦りましょう。

大腸の働きを良くし、全身の調整にもなります。

下腹部が冷えている人は特にお勧めです

③手三里(てさんり)

肘関節の親指側でシワの端から2寸指側に行ったところです。

歯痛を抑えるツボと考えられ、大腸の状態が悪い人ほど圧痛があります。

  • 腹脹
  • 吐瀉

にも効きます。

まとめ

たかが便秘と侮るなかれ。

東洋医学では排泄を重視するので、下痢よりも便秘は良くないと考えます。

薬で安易に出すよりも原因となる体質改善が大切ですね。

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院

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