未病予防に必要なことを東洋医学から徹底解説!
健康法
原因不明だがずっと体調不良が続いている。
病院へ行って血液検査をしたが、陰性で異常なし。
そんな方が増えています。多い症状には、
- 身体が重くだるい
- 疲れやすく疲れがとれない
- 常に関節痛がある
- 筋肉の痛みがとれない
- 頭がぼーっする
- 息苦しい
- 微熱が続く
などがあり長期間、改善されない事があります。
これらは東洋医学では未病(みびょう)と呼ばれる状態です。
西洋医学から見れば具体的な問題は無いので薬を出されて終わります。
ですが、東洋医学では最も重要視する時期であり、この時期に意識して治せるなら健康で長生きできると考えています。
未病には原因が必ずある
原因がなく疲れやすさなどは出てきません。
疲労の原因にはいくつかありますが、多いのは、
- 筋肉疲労
- 臓器疲労
- 脳疲労
の三つになります。
①筋肉疲労
運動などで乳酸が溜まり体内のPHのバランスが崩れた状態です。疲れた身体にクエン酸が効くのは、新たな酸を体内に入れることで、既存の乳酸の分解を早めるのです。
デスクワークなどで、筋肉に刺激が入らず、猫背で呼吸の浅い人に起こりやすい疲労です。
乳酸の他に二酸化炭素の排出が滞ることで悪化します。
②臓器疲労
内臓が
- 冷え
- 栄養不足
- 老廃物の蓄積
により機能が低下した状態です。
内臓は一日中、動き続けているので、常に一定量の老廃物が溜まります。
老廃物が便や尿、汗などで排泄されていれば問題はありませんが、
- 便秘
- 水分不足
- 運動不足
などの状態だと老廃物の排泄が滞り、強い倦怠感を感じさせ休息を促します。
③脳疲労
細胞呼吸や消化など代謝活動によって発生するアンモニアが溜まる事が原因です。
アンモニアの分解と排出が滞ると、脳の中枢神経が刺激されるので、神経系の症状が出やすくなります。
アンモニアは尿となり排泄されるので、トイレに行く回数が少ない人は要注意です。
精神面での症状も多く、
- イライラする
- 情緒不安定になる
- やる気が出ない
などの様々な症状が出ます。
アンモニアが増えると脳が疲労しやすくなり、脳の疲労は最も強い倦怠感を出します。
高アンモニア血症による神経毒性:アストロサイトの関与が見直される
橋本 敬輔より抜粋
アンモニアは,生体内において常時大量に産生されており,その大部分は肝臓で尿素への変換を受けて代謝される.肝不全などによりこの代謝機能が低下すると,高濃度のアンモニアが血中に蓄積し,その一部が脳内に移行することでさまざまな神経症状を引き起こす。
と報告されています。
強い倦怠感は身体の異常サインなので、倦怠感を無視して働くとうつ症状になる危険もあります。
また、アンモニアを尿素に変える肝臓の機能が低下している人ほど起こりやすい症状です。
肝臓の機能が低下する原因としては、
- アルコール過多
- 睡眠不足
- 過剰なストレス
- 脂質の摂りすぎ
などがあります。
内臓を回復させる生活習慣のコツ
人間の体内リズムでは、
- 有害毒素の排出(朝)
- エネルギーの分解消化(昼)
- 吸収と代謝(夜)
と三つのパターンが構成されています。
現代人の多くは、内臓を休ませるべき睡眠前の夜ご飯を豪華にする傾向があります。
このような生活はいわゆる、
- 高血圧
- 高血糖
- 高尿酸
- 高脂血症
などの原因となり、身体の回復力を著しく下げてしまいます。
理想としては、炭水化物の量を
- 朝はほどほど
- 昼にしっかり
- 夜はひかえめ
にすることが大切です。
特に朝は野菜を食べることで排泄が促されます。
野菜、食べてますか?
厚生労働省の発表では、
健康の基準としては、1食1皿以上で1日5皿分を食べることとあります。
できれば、
- 主食
- 副菜
- 主菜
をそろえた食事を心がけ、薄味が理想です。
厚生労働省の調査では、
「野菜をたくさん食べるようにしている」と回答した人(30歳以上)は、男性約45%女性約60%にのぼります。
調査で野菜類平均摂取量を見ますと、成人男性で約290g、女性で約270gとなっています。特に20~30歳代は、約240gと成人の平均より約50gも少ない量になっています。
生活習慣病などの予防のためのの目標値の一つに「野菜類を1日350g以上食べましょう」が掲げられています。
野菜が80g不足するというのは、例えば「ほうれん草のお浸し」では小鉢1皿分程度が不足していることになります。
この数値には、
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
などの摂取が目標なので、他の主菜や主食も偏らないのが理想です。
摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)をきちんと摂ることが必要になります。
またミネラルは、生体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けしてくれ、高血圧の予防にもなります。
旬を取り入れた食生活(春・夏)
四季の旬の食材について、出回り期とその他の時期での成分の違いがあります。
春(二月~四月)の旬の野菜といえば、
- キャベツ
- 新じゃが
- たけのこ
- ふき
などがあります。
夏(五月~七月)の旬の野菜は、
- えだまめ
- オクラ
- かぼちゃ
- きゅうり
- トマト
- なす
- ピーマン
などがあります。
トマトのカロテン含有量の月別比較
図: トマトのカロテン含有量の月別比較[2]
厚生労働省参考
トマトなどは店頭に一年中並んでいますが、出回り最盛期とそれ以外の時期では、栄養成分にはかなりの差があります。
ビタミンの一種であるカロテンを100g当たりで比較してみると、出回り期の7月では528μgあるのに対して、11月には241μgと出回り期の半分以下の結果となり、1年間を通しての平均値は364μgでした。
旬を取り入れた食生活(秋・冬)
秋(八月~十月)の旬の野菜といえば、
- 銀杏(ぎんなん)
- 栗
- ゴボウ
- さつま芋
- 里芋
- 松茸
などがあります。
冬(十一月~一月)の旬の野菜は、
- かぶ
- 小松菜
- 大根
- 長ネギ
- 白菜
- ほうれん草
などがあります。
ほうれん草のビタミンC含有量も、出回り期の12月では84mgあるのに対して、9月には17mgと、1年間を通しての平均値43mgから、かなりの差があります。
このように旬の野菜は栄養の含有量が著しく高いのに対して、そうでない季節は平均より低くなります。
今は、一年中好きな野菜を手に入れられますが、旬を意識しなければ期待しているような効果は得られないので注意が必要です。
まとめ
身体が疲労を感じやすくなるには理由があります。
特に、現代人に多いのはアンモニアからくる脳疲労です。
もちろん、筋疲労や臓器疲労も少なくはありません。
そして、症状が重い人ほどいくつかの疲労を同時に患っています。
大切なのは、身体からの休めというサインに耳を傾けて、原因を排除して身体に良い生活を送る事です。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院