東洋医学の血虚と西洋医学の虚血を比べてみた

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血虚

細毛や薄毛、疲れやすいなどの症状があり、肌がカサカサで艶がないことで悩んでいる。

生理不順で不正出血がダラダラと続いたりする。

婦人科にかかって経血が止まらない場合はピルで一週間止めてまた出血させる。

このような状態を東洋医学では血虚と呼びます。

生理などの女性特有の症状で陥りやすい状態の一つです。

こちらでは、血虚の原因と対処法について書いています。

 

どのタイミングで身体を治すのか

東洋医学の教科書である素問には、「病気になってから薬を飲んだりすることは、のどが乾いてから井戸を掘るようなものである」と書かれています。

これは普段からの予防の重要性を説いており、不調になってから努力したのでは遅いと言っています

つまり東洋医学の最大の目的は、病気になってから直すのではなく、病気にならないように予防する、病気の一歩手前で食い止める予防医学だと分かります。

 

女性に多い血虚とは

女性特有のトラブルは 血の道の病といわれます。

女性は初潮が始まる頃から閉経した後も、血の道の状態によって体調が左右されるのです。

子宮は血海(けっかい)と言うほどに、血が十分に満ち足りていることが重要なのです

東洋医学の教科書である黄帝内経にも「女性の体は常に気が余り、血が不足である」と書かれています。

気が余り血が不足するとは、気(代謝)に対して血(栄養)が不足していることになります。

つまり女性は男性よりも栄養を摂ることが必要なのです。

血の道症というのは、

  • 血(栄養)が足りない
  • お血(血流が悪い)

の状態を差します。

さらに血(栄養)を巡らすために気(代謝)が必要なので、気(代謝)が虚(不足)している人は血(栄養)も不足しやすくなります。

気(代謝)と血(栄養)が充実しているときは、

  • 精神的に安定する
  • 睡眠の質が高い

などの状態になります。

心と体は密接な関係なので、身体の状態が安定すれば精神的にも安定します。

しかし、気と血がうまく巡っていないと、

  • イライラしやすい
  • 落ち込みやすい
  • 生理痛がひどい
  • 生理不順

などの症状が現れます。

血(栄養)が身体の隅々まで巡らないと心も体も安定しなくなります。

また大量の血液を失う生理などに不調をきたします。

 

気持ちを安定させるためには

気持ちの不安定は血液貯蔵庫である肝臓の疲労から起こります

さらに女性は毎月生理がありますから、慢性的に血液が不足しがちです。

そのため肝臓を疲労させる

  • 目の使い過ぎ
  • 寝不足
  • 頭の使い過ぎ

は避けましょう。

身体のエネルギーを消耗すると肝臓の仕事は増えます。

また肝臓を回復させるのは睡眠なので、睡眠不足には注意しましょう

逆に生理の時期には、

  • 睡眠時間を長くする
  • ゆっくりする時間を作る
  • 携帯やテレビなどを減らす

などを心がけましょう。

特に充血するくらい目を酷使していると余計に身体の血(栄養)は不足します

そして血は睡眠時間に充実するので、6時間以上の睡眠を心がけて夜の12時前には布団に入るようにしましょう。

血に含まれるホルモンの多くは睡眠中に作られます。

また栄養が身体の隅々にまで行きわたらせるには睡眠が重要なのです

 

血虚を現代医学で考えると

血虚を現代医学で考えると虚血と呼ばれ局所的な貧血と表現されます。

局所的な貧血が起こっている場所はダメージを受けるので痛みやコリといった感覚で認識されます。

虚血 – 再灌流または炎症によって誘導される急性酸化ストレスは組織に重大な損傷を引き起こし、持続的な酸化ストレスは癌を含む多くの一般的な疾患の原因の1つとして受け入れられている。ここでは、水素(H(2))が予防的および治療的適用において抗酸化剤としての可能性を有することを示す。H(2)は、反応性酸素種(ROS)の最も細胞毒性であるヒドロキシルラジカルを選択的に還元し、効果的に細胞を保護した。H(2)は有効な抗酸化療法とし酸化的損傷から保護することができる。

~Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals.~より Ohsawa I, 他9名

また虚血は酸化ストレスとも考えられています。

そのため還元作用のある水素や食品は虚血の改善に効果的です。

血虚と虚血は全く同じではありませんが、代謝を促す必要があるという点では東洋医学と西洋医学の共通した認識となります。

また代謝を促すためにはまずは身体を動かすことが大切というのも共通の認識です。

まとめ

血虚とは血(栄養)の不足なので検査の数値には現れないこともしばしばあります。

生理のつらい症状を和らげる薬は多く存在しますが、根本的に治す薬は存在しません。

つらい症状は原因無くして現れませんので、女性特有の症状に悩まされている人は血虚の改善を心がけましょう。

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院

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