東洋医学から見た舌の痛みの原因と対処法
健康法
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに内臓整体で身体の体質改善を目指す整体師。
栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康とは何かを考えている。
澤楽「今日も皆さんの健康のために解説します」
「今日は日常でも起こりやすい舌の痛みの原因と対処法です」
舌の痛みの原因
舌の裏が痛んだり、舌の端に歯形がついたりピリピリと痛んだりするのは割とよくあることです。
人によっては舌にしみるような感覚や、ろれつが回らないときもあります。
舌の痛みやあれを引き起こす主な疾患としては、
- アフタ性口内炎
- カンジダ性口内炎
- 舌痛症(ぜっつうしょう)
- 舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう)
などがあります。
口内炎の多くは、口の中の傷ついた部分に細菌やウィルスが感染して起こります。
アフタ性口内炎は一般的によくみられる口の中の粘膜にできる白い口内炎です。
その周囲が赤く腫れて痛み、一度治まっても再発することが多くあります。
カンジダ性口内炎は、カビの一種であるカンジダ菌の感染によって起こります。
また、舌痛症や舌咽神経痛は過労や風邪によって体調が悪化していることがきっかけで起こります。
一般的にウィルスなどが原因の口内炎も疲労やストレスなどで免疫力が低下しているときにも起こります。
糖尿病で免疫力が低下している人やステロイドなどで免疫力が低下している人も口内炎が出やすいのが特徴です。
長期で舌の痛みが続くときは舌癌の場合もありますので不安な時には病院で診察を受けましょう。
対して舌痛症や舌咽神経痛は見た目には変化がないのに、やけどをしたときのように舌の先や縁にピリピリとした痛みを感じます。
原因としては精神的ストレス以外にも栄養不足などもありビタミンB12や鉄分などの不足が考えられます。
その他には、
- 口の中の乾燥
- 虫歯
- 歯周病
- 薬の副作用
なども考えられます。
舌咽神経痛は舌というより喉の奥にある舌咽神経の痛みです。
発作的な痛みが多く、あくびで口を大きく開けたときや酸味の強い物を食べたときなどに、神経痛特有の電気が走るような鋭い痛みが走ります。
喉や舌、耳の奥にまで瞬間的な痛みが現れます。
歯科医などで勧められる基本的な対策は口の中を清潔に保つ丁寧な歯磨きです。
ただし歯ブラシで舌を磨いて舌苔を無理やり取ろうとするようなことはやめましょう。
激しい歯磨きで傷がつくと症状が悪化することもあります。
お手軽なのは市販薬の洗口液で口の中をゆすぐことです。
東洋医学から見た舌の痛み
舌痛症とは舌に器質的な異常がないのに痛みが起こる病気です。
器質的な異常はないために舌痛症は客観的に有無や程度を把握するのが困難な病気といえます。
舌痛症は更年期を迎える40~50代の女性に多いことが知られています。
女性の方が男性に比べて10倍近く発症しやすいという報告もあります。
そのため舌痛症の原因はホルモンとの関連や遺伝的な要因が関係しているという説が挙げられています。
西洋医学的には亜鉛や鉄分といったミネラル不足やビタミンB12不足も考えられます。
薬の副作用によるドライマウスや、糖尿病による口内の乾燥も原因と考えられています。
ここで東洋医学の観点から舌痛症を考えると身体にこもった熱が原因と考えます。
原因としては、
- 精神的なストレス
- 辛い物
- アルコール
などの摂りすぎが引き起こした熱が消化器系の内臓を傷めていると考えます。
または、身体をクールダウンする津液(水分)が不足しているために過剰な熱が発生していると考えます。
そもそも津液(水分)の不足は水分の摂取が足りないことでも起こりますが、過労や慢性病、加齢などでも起こります。
そのため舌の痛みが起こった時には白湯を飲むのが一番です。
白湯は40℃くらいのぬるい状態で最も消化器系にやさしい水分です。
夏は辛いかもしれませんが、起きた後や寝る前などの消化器系の動きが弱い時に意識して摂ると効果的です。
そして食べ過ぎなども控えて胃や膵臓などの消化器系を労わるようにしましょう。
まとめ
舌の痛みの多くはウィルスなどの感染症で起こります。
ですが感染していても多くの人は舌の痛みが起こりません。
基本的には舌の痛みは免疫力が低下しているか消化器系が弱っているときなのです。
大切なのは身体の回復力を促すために白湯を飲む習慣をつけることです。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院