木一郎のスッキリ漢方薬は生薬の効果を高める生薬の組み合わせ
スッキリ漢方薬
人物紹介
木一郎(もくいちろう) 三人兄弟の長男 代謝系が弱りやすい木タイプ
几帳面で気質、理論的だが怒りやすい面も。仕事大好きで競争に強い。鍼灸用品や漢方薬を販売する会社の経営者で金代と水太の上司。
金代(かなよ) 二人姉妹の下 呼吸器系が弱りやすい金タイプ
マイペースで職人気質、とにかくこだわりが強い。友達は少ないが深い付き合いで寝るのが大好き。木一郎の鍼灸用品の会社で働いている。澤楽に灸のツボを習っている
水太(みずた) 二人兄弟の下 泌尿器系が弱りやすい水タイプ
とにかく行動的でじっとしていない、意外にビビりな面もあり、新しいことを始めたいが始めるまでに時間がかかる。木一郎の会社に勤務。スマート筋トレを実践しており、通販が大好き。
木一郎「今日は、漢方薬の効果を高める組み合わせの秘密を解説するよ」
金代「難しそうですね」
水太「理解するのは無理そうっす!」
木一郎「聞く前から諦めてはいけないのだ!(怒)」
生薬の役割
生薬には、それぞれ役割分担があり、
- 君薬(くんやく)
- 臣薬(しんやく)
- 佐薬(さやく)
- 使薬(しやく)
の4つに分類されます。
君薬は、作用の中心的役割を果たします。
臣薬は、君薬に次いで重要な役割を果たします。
佐薬は、君薬を助ける役割を持ち、副作用の軽減も仕事です。
使薬は、君臣と佐薬の補助的役割で、バランスをとって狙ったところへの効果を高めます。
漢方薬の基本となる桂枝湯の場合は、
になります。
漢方薬の組み合わせ
漢方では、生薬の相互作用に着目しています。
組み合わせを変えることで、本来の効能を高めたり弱めたりすることが可能なのです。
生薬の組み合わせには、
- 相須(そうす)
- 相使(そうし)
- 相畏(そうい)
- 相悪(そうお)
などがあります。
相須(そうす)とは、同じ性質の生薬の組み合わせで作用を増強します。
麻黄と石膏はお互いの効果を高めます。
相使(そうし)とは、違う性質の組み合わせで生薬の効果が高まります。
主薬に対して臣薬を組み合わせて主薬の効果を高める関係です。
たとえば、黄耆(おうぎ)に茯苓(ぶくりょう)を配合すると黄耆の補気利水作用が増す関係です。
相畏(そうい)とは、互いに抑制し合って有害な作用を軽減させます。
つまり、佐薬として副作用の軽減に働くので、多くの場合は甘草が用いられます。
半夏の強い作用を生姜が抑える関係です。
相悪(そうお)とは、両方の効果を減弱させるので、生薬の持つ毒性を軽減させるときに使います。
本来の効果を低める組み合わせですが、大黄という瀉下作用(下剤作用)が非常に強い薬を使いやすくします。
便秘のときに大黄は極めて効果的ですが、主成分であるタンニンには習慣性があり少しの量では効かなくなってしまいます。
ですが、一緒に緩和作用のある甘草を使って大黄甘草湯という形にすると、習慣性が低くなり続けて使えるようになります。
生薬の性質と役割で異なる薬効
漢方処方を構成する生薬は、
- 薬味
- 薬性
によって分類されます。
薬性とは、身体を温めたり冷やしたりする作用で、その度合いによって
- 寒
- 涼
- 熱
- 温
の4種類に分け四性と呼ばれます。
一方、薬味は東洋医学の五行色体表にもある、
- 酸味
- 苦味
- 甘味
- 辛味
- 鹹(かん塩味)
の5つに分けられます。
東洋医学では、味の違いによる薬能にも注目しています。
- 酸味は収める(収斂・固渋)
- 苦味は堅める泄・燥
- 甘味は緩める(緩和・調和)補益・和中
- 辛味は散らす(発散)発散・行気・行血・潤養
- 塩味は、乾きを潤し水分を調節し柔らかくする
などの作用があります。
漢方薬はこれらの作用を考えて、望む成果が得られるように作られています。
味の考え方は東洋医学では五味と呼ばれ、薬膳の世界でも応用されている考え方です。
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院