気滞や瘀血(おけつ)、痰湿の滞りは発酵食品で改善しよう

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発酵食品

身体の不調は何から始まるのか?

痛みやしびれ以外にも、ダルさや下痢なども問題です。

そして東洋医学では、下痢や吐き気などより、滞りとなる

  • むくみ(痰湿)
  • イライラ(気滞)
  • 頭痛(瘀血)

などを問題視します。

昔からの知恵は、発酵食品を摂る事で、不調を事前に予防していました。こちらでは、タイプ別のお勧め発酵食品を書いていきます。

タイプ別の発酵食品

食材は発酵の過程で、含まれるでんぷん質やたんぱく質を分解し、アミノ酸や糖分などの吸収しやすい形にしてくれます。

身体は、分解するのにもエネルギーを使うので、それを代わりにしてくれれば、身体を効率的に元気にしてくれます。

 

ピクルス(木・火タイプ)

ピクルスには、植物性乳酸菌が入っている点が効率的です。

日本人の腸内細菌に適しているのは、植物性の乳酸菌です。

ぬか漬けや浅漬けも同じ理由です。

牛乳やヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌は、やはり欧米人の方が適しています。

腸の長さが違うのはもちろん、腸内細菌の中身も違い、欧米の人はワカメを消化する腸内細菌を持たず下痢します。

昔からの食生活は、それほどに大きく影響します。

特に野菜や豆などを発酵させた乳酸菌は、多くの栄養成分を含みます。

特に酢漬けにすると、クエン酸含み疲労回復に絶大な効果があります。

また、胃液の分泌も促す作用があるので、食欲不振や夏バテにも効果的です。

合わせて、水分の吸収率も高まるので、津液(水分)不足にも対応します。

特に、筋肉がつる人は摂りたいですね。

 

味噌(土タイプ)

味噌は伝統的な調味料の一つですが、スーパーなどで安価で販売されているのは、速醸法の味噌です。

多くの添加物が含まれているので、安い物には注意しましょう。

味噌にも種類があり豆味噌や麦味噌、米味噌とあります。

豆味噌は身体を温め、麦味噌や米味噌は夏の暑さから身体を守ります

本当の味噌には大豆と米麹、塩しか含まれません。

季節の変わり目に不調になりやすい人は、特に豆味噌を選んで摂りましょう。

 

キムチ(金タイプ)

キムチには乳酸菌が含まれますが、酸味は酢酸菌によるものです。

また、キムチの植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べて胃酸などに強く、生きたまま腸に届きます

そのため整腸作用に優れています。

また、金タイプは気(代謝)が低めなのでカプサイシンによる辛味で、アドレナリンの分泌を増し代謝を促進するので効果的です。

キムチには代謝を促進する作用や、脂肪燃焼を促進する効果があります。

キムチは発酵することで、生の野菜にはなかった栄養素が増し、ビタミンB群は特に豊富になります。

ビタミンB群は、にんにくやニラの血液をサラサラにするアリシンの作用を高め、疲労回復の効能も期待できます。

ただし、キムチの一日の目安は50g程度と言われるので注意しましょう。

 

イカの塩辛(水タイプ)

酵母菌によって発酵し、イカの含むコラーゲンも分解して、体に吸収されやすくなります。

他の食品のコラーゲンの吸収率が、10%前後なのに対して、イカの塩辛の場合は90%にもなるというデータもあります

納豆と同様に、食べる前に多くかき混ぜ、空気と触れさると酵母菌が活性化して、アミノ酸も倍増し吸収率がさらにアップします。

ちなみに、コラーゲンが最も豊富に含まれる部分は通常、剥がされる薄皮や軟骨に含まれます。

イカの塩辛の優れた面は、薄皮や内臓も使って栄養価が高い事にあります。

酵母菌は主に内臓に含まれるので、熟成するほどに

  • ビタミンA
  • 鉄分
  • 亜鉛

などが吸収しやすい形になっていきます。

冬に弱りやすい水タイプには大切な栄養ですよ。

 

納豆(胃腸虚弱)

納豆菌の特徴は、熱に壊れにくく、腸内でも発酵を進めて腸内環境を酸性化させる事ですね。

酸性化すると悪玉菌の増殖は抑えられます。

納豆菌は、食中毒や雑菌を殺す抗生物質も生み出すので、食中毒の多い日本には最適ですね

腸内環境を整えるので、下痢にも便秘にも効果があります。

各種の栄養素がバランス良く整っているので、胃腸虚弱の人には最適ですね。

また納豆には、各種の消化酵素を含むのでタンパク質と糖質、脂肪を分解し一緒に食べた他の食物の消化も良くしてくれます。

 

まとめ

日本人に合うのは植物性の乳酸菌です。

多くの発酵食品は、単品でも高い栄養価を誇りますが、他の食品にも良い影響を与えます。

胃腸虚弱の人は特に発酵食品をメインに摂ると良いですね。

欧米の人に比べて、日本人が若々しい印象を受けるのは、瘀血が少ないからだとも言われます。

昔ながらの日本食には、肉が少なく発酵食品などが多かったのもポイントですね。

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院

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