コーヒーは気滞や瘀血(おけつ)、痰湿の改善に効果があります。
パパッと薬膳
コーヒーの飲み過ぎは身体に良くないと言われますね。
単純な話ですが、身体に悪い影響だけを与えるものが存在するのでしょうか?
漢方に使われている植物でも、毒薬として使われる事もありますから。
要は、植物に良い悪いがあるのでは無く、使い方と使用量に左右されると言えますね。
コーヒーは悪い物だと安易に決めつけていると、せっかくの効能を見落として健康を損なってしまうかもしれません。
今回はコーヒーの効能と適正量について書いていきます。
コーヒーの効能
実はコーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用だけでなく脂肪を燃焼させる効果も認められています。
そのため、ダイエットにも効果があると期待されています。
一般的にコーヒーの飲み過ぎは身体に良くないと言われますが、一日に3~5杯までは健康的な効果のほうが高いという研究が多くあります。
抗酸化作用が高いポリフェノールであるクロロゲン酸がダイエット効果や糖尿病予防、アンチエイジング作用などが期待できます。
ニコチン酸
香り高い深煎り豆に多く含まれるニコチン酸は植物性のビタミンです。
動物性食品ではナイアシン(ビタミンB3)と呼ばれ、代謝に欠かせない栄養素のひとつで、
- 糖質や脂質がエネルギーに変わるのをサポート
- 血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす
- 血液をサラサラにする
などの作用があります。
ナイアシンは不足しにくいですが、皮膚炎や下痢などの症状がある人は要注意。
寒い時期に浮腫がひどくなる人は、ナイアシン欠乏症の疑いがあります。
昔、北海道の寒さで浮腫による多くの犠牲者が出ていました。ひどい浮腫にかかった人達にコーヒーを配給したところ改善が見られ犠牲者は一人もいなくなったそうです。
カフェ酸
コーヒーに含まれるポリフェノールをカフェ酸と言います。
クロロゲン酸と呼ばれる成分はカフェ酸として吸収されています。
カフェ酸はコーヒーの香り成分で焙煎することによってその香りが生まれています。
香りには自律神経を整えリラックス効果があるので気滞(自律神経失調症)の改善に役立ちます。
キナ酸
キナ酸はフィトケミカルの一種で酸味の元ですね。
ベリー系にも含まれ免疫力アップの効果が期待されます。
クロロゲン酸はキナ酸とカフェ酸の化合物です。
このキナ酸による酸味が痰湿(むくみ)の改善にも役立ちます。
カフェイン
悪者のように言われるカフェインですが元々は薬として認識されていました。
- 眠気冷ましなどの興奮作用
- 利尿作用
- 自律神経調整機能
- 運動神経向上機能
より浅い焙煎豆(シナモンロースト)が、深い焙煎豆よりもガンの細胞増殖を抑制したという研究があります。シナモンローストだと、最大の総フェノール含量および抗酸化活性を有しているからです。Influence of roasting conditions on the antioxidant characteristics of colombian coffee (Coffea Arabica L.) beans
補足
コーヒーは頭をすっきりさせて、肝臓を健康にしストレスを軽減する効果があるのは最新の研究でも明らかにされています。
ですが、コーヒーを飲むときの温度は見落とされがちです。
特にアイスコーヒーを飲むときには注意が必要です。
内臓の温度は40度近くあり、肝臓は身体の中でも最も高い温度を保っています。
身体の代謝は1度上がれば10%上がるので、アイスコーヒーで体温が下がれば当然、代謝は下がります。
|
まとめ
コーヒーはカフェインの含有量の高さから妊婦さんや子供は注意が必要ですが、大人は適量を守って飲めば健康的な効能のほうが多くあります。
コーヒーのカフェインの持続時間は、カフェインが吸収されるのはコーヒーを飲んでから20~30分かかり、だいたい4時間くらい効果が続くと言われます。
4時間で身体に吸収されたカフェインは半分くらいに分解されます。
ですが、分解能力には個人差があるので、持続時間は分解能力に左右されます。
そのため、コーヒーを飲んだあとに興奮状態が続く人は注意が必要です。カフェインの分解能力が低い可能性があります。
LINEに登録してもらえれば最新のブログ情報をお届けします。 また、個別に治したい症状があれば改善のために必要ツボのとり方を送ります
⇒施術や講義を希望の方はこちら
筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院