水タイプの内臓の特徴と対処法
人物紹介
澤 楽(さわ らく)
東洋医学をベースに内臓整体で身体の体質改善を目指す整体師。
栄養学に薬膳も組み合わせて本当の健康とは何かを考えている。
澤楽「今日も皆さんの健康のために解説します」
水江(みずえ) 二人姉弟
アウトドアが大好きで遊園地では絶叫系が大好き、ナッツやドライフルーツにハーブティーを扱う店の店長。時に強引で突っ走るタイプ。
水太(みずた) 二人兄弟の下。 とにかく行動的でじっとしていない、意外にビビりな面もあり、新しいことを始めたいが始めるまでに時間がかかる。木一郎の会社に勤務。釣りとスポーツが趣味。
水タイプはこんなひと
水タイプの人は津液(水分)と血(栄養)が盛んなので気(代謝)も高いのが特徴です。
そのため、体力があって行動的な人が目立ちます。
感情的になるときもありますが、基本的にはおおらかです。
東洋医学では腎と膀胱が強いのが特徴です。
ただし腎は副腎や生殖器系も含んだ広い概念で、膀胱に腎臓から膀胱までの泌尿器系を含んだ概念になるのが東洋医学です。
西洋医学における腎臓とは
腎臓の主要な機能とは、
- 体内の老廃物の排泄
- 体液の恒常性の維持
- ホルモンの分解
になります。
腎臓は体内の老廃物を血液から濾し出して、尿として排出します。
たんぱく質が体内で代謝・分解されてできた窒素化合物(尿素やクレアチニン、尿酸)、体内で行なわれる新陳代謝で生じた老廃物、体内に入った不要な薬物や毒物もみんな尿の中に溶けて排出されています。
体内には水分以外に
- ナトリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- カリウム
- リン酸イオン
- 重炭酸イオン
といった電解質(イオン(が決まった割合で含まれており、一定に保つように、腎臓からの排泄量を調整しています。
また、各種のホルモンを産生し分解します。
腎臓はレニンと呼ばれるホルモンを分泌してNa・Kなどの吸収を左右し、血圧の調整も行っています。
レニンは、血液中のたんぱく質に作用してアンジオテンシン(血圧上昇ホルモン)を作ります。
また、プロスタグランジン(血圧降下ホルモン)を分泌して血圧を下げます。
エリスロポエチン(赤血球の産生促進)の分泌が減少して貧血の症状が出てきます。
インスリンなどのホルモンを分解します。
まとめると、
- 血圧の調整
- 水分代謝の調節
- 赤血球の産生
を調節しています。
他にも、多くのホルモンを分解します。
アセトアミノフェン 、アラキドン酸、アンジオテンシンなどの薬物を始め
- オキシトシン
- ガストリン
- カルシトニン
- グルカゴン
- コレシストキニン
- 成長ホルモン
- ソマトスタチン
- バソプレシン
- 副甲状腺ホルモン
- プロラクチン
- 黄体形成ホルモン
などを分解します。こられのホルモンは分解が遅れると新たな分泌が滞ります。
そのため、
- 不妊
- 疲れやすさ
- 水分代謝
- 血糖値調節
- 骨の代謝
身体の成長などは、腎臓の機能が低下していると不具合が出やすくなることに昔の人は経験的に気が付いていたんですね。
東洋医学における腎とは
東洋医学では腎の役割として、
- 成長
- 発育
- 妊娠
には親から受け継ぐ腎の力が必須と考えています。
また腎をつよくするには、
- 塩分
- 水分
のバランスをとるようにしてくことが大切です。
腎の力は、年齢とともに衰えると考えられているのも特徴の一つですね。
例えばアルコール飲料を飲むと小便が多く出るようになります。
若い時は、お酒を飲むとすぐトイレに何度も行きたくなりますが、年齢とともに身体が冷えてくるとあまり出なくなります。
このように、腎の役割は年齢とともに衰えるものだと考えたのですね。
西洋医学から見た膀胱
膀胱は平滑筋と呼ばれる、自動で動く筋肉でできており、尿が溜まってくると脳にお知らせします。これが尿意ですね。
膀胱に貯められる尿は、平均で400~500mlなので、実にペットボトル一本分近く貯められます。
女性は子宮があるため、男性の8割ほどの量しか貯められませんが、少量でしたくなる人は膀胱が固くなっています。
また、尿意は自律神経によりコントールされているので、頻尿や夜間のトイレは自律神経の乱れが疑われます。
- 頻尿は一日に七回以上の尿意
- 夜間頻尿は就寝時に二回以上の尿意
をさします。
東洋医学から見た膀胱
まず、東洋医学における膀胱は、腎臓から膀胱までの、尿の生成から排尿までを指します。
実は、膀胱は自律神経の影響を最も受けます。
大切な大一番の前にトイレに行きたくなるのは交感神経の興奮から膀胱が強く収縮するためですね。
その中でも異常な状態を次の様に定義しています。
膀胱湿熱(ぼうこうしつねつ)
ウイルスや細菌の侵入は、膀胱に熱を持ち排出のために頻尿になります。
また、炭水化物の摂り過ぎや、水分不足のために体温が上がり、熱を排出するために頻尿になる場合もあります。
この場合は頻尿ですがミネラルウォーターを摂るのが重要ですね。
他にも、食べ過ぎや飲み過ぎが原因に考えられます。
そんな人には、
- 吹き出物が多い
- 便秘になりやすい
などの症状が見られます。
湿熱対策には、
- 利水作用
- デトックス作用
が高いお茶が良いですね。はと麦茶がお勧めです。
大切なのは、
- 余計な水分や熱を外に出す事
- 原因となる飲食を控える事
ですね。
そして適度な汗をかくために、運動や入浴をこまめにする事が大切です。
水タイプに危険信号が出たら
水タイプは老廃物の排泄力が極めて高いタイプなので長時間の行動が平気です。
それだけに無理をし過ぎる人が多く慢性的な疾患を抱える人が少なくありません。
そんな時に腎を強くするには、適度な塩分と水分が必要だと書きました。
よく塩分は制限したほうが良いと言われますが、それは欧米の乾燥した気候でのお話です。
日本は湿潤な気候なので、適度な塩分が不足すると水分の排出が行えずむくみの原因となるので要注意。
人間の味覚はチェック機能も持ち合わせています。
塩を入れて調理しても、ちょうど良いと感じるなら問題ありません。
ポカリスエットなどでも汗をかいていなければ美味しくは感じませんよね?
一般的に、その人にとって美味しく感じるものがその時の体調に合っているということです。
まずいと感じる時は、体には余分ということです。
問題なのは、ミネラルなどが含まれずない
- 食卓塩
- ダシの素
などの調味料になります。
また腎は寒さに弱いので、冬は
- 白湯を飲む
- お風呂でしっかり温める
などが必要ですね。
水タイプが体調を崩すときの多くは、疲労から身体が冷えているときです。
そのため身体を温めて休息をとることも重要です。
腎は年齢とともに弱りやすい臓器の一つで過剰な塩分制限は衰えに拍車をかけるので要注意。
しかし食卓塩やダシの素は塩分が多いので、使うときは野菜も摂取しないと
- ビタミン
- ミネラル
などが不足のため体調不良の原因となる。
基本的には美味しく感じる味が自分の身体が必要としている量である。
東洋医学において
- むくみ
- 倦怠感
の多くは腎の疲労が原因と考えます。
身体はしっかりと温めるほうが良いですね。
また、膀胱は蓄尿と排尿という単純な機能ですが、尿意の我慢は自律神経の乱れにつながります。
動き過ぎて徹夜や不規則な生活は自律神経の乱れに拍車がかかるのでほどほどにしましょう。
まとめ
澤楽「二人とも体力がある分だけ無理をする傾向がありますが、年齢とともにほどほどにしないと体調を崩すので気を付けてくださいね」
水江「確かに仕事に夢中になっていると時間を忘れているときがあるわ」
水太「俺も朝から晩まで釣りをすることがあるなぁ」
水江「一晩くらいなら徹夜しても平気だけど、これからは休息も大事にしますね」
水太「俺も身体が冷えたときは風呂で温めるようにするよ!」
澤楽「そうですね。二人とも好きなことには夢中になるので、少しでも疲れを感じたら今日のことを思い出してください」
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筆者:澤 楽
鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。
澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院