肝臓疲労

健康のためにサプリをとっている。

食生活に不安があるのでサプリをやめられない。

精神的にもサプリなしは無理だ。

ですが、サプリは万能ではありません。身体に良い面もありますが、過剰な摂取は肝臓の負担になります。

こちらでは東洋医学から見たサプリの功罪と正しい健康について書いています。

サプリは肝臓の負担となる

最近では、様々な種類のサプリが健康に良いという宣伝で販売されています。

もちろん、宣伝の内容に嘘はないと思いますが、全ての人に有効とは限りません。

特に不必要なほどの栄養を摂れば身体には悪影響となります。

なぜなら、サプリによる余分な栄養を分解するのは肝臓なので、過剰なサプリの摂取は肝臓を疲労させます。

症例は70歳，女性．末梢の冷感，痺れに対してサプリメント（金時しょうが®）の内服を開始．内服2カ月後より上腹部違和感，食欲低下，褐色尿などの症状が出現．内服中止するも改善せず，中止12日後に当院紹介受診．黄疸，肝機能障害を認め入院．精査の結果，金時しょうが®による薬物性肝障害と診断．

～サプリメント（金時しょうが®）による薬物性肝障害の1例～より
鈴木 悠平、他6名

良かれと思ってサプリを飲みだす人も多いですが、体調を崩す人が多いのも確かです。

しかも原料が天然成分であるにも関わらずです。

薬やサプリのように栄養だけを凝縮したものは、分解するのに余計なエネルギーを使ってしまうのです。

 

なぜサプリがマイナスに働いたのか？

サプリが身体に悪いわけがないと思う人もいるかもしれませんが、漢方の世界から考えれば当然の結果です。

なぜなら、どんなに身体に良いものでも摂り過ぎれば毒になるからです。

逆に毒を薬として使っている場合もあります。

トリカブトという毒草はご存知でしょうか？

この毒草は摂り過ぎると心不全を起こすことで知られています。

ですが少量を摂るのは心筋を強めて血流量を増やします。

このトリカブトは附子（ぶし）と呼ばれ漢方薬の原料です。

自然の植物は全て毒にも薬にもなるのです。

毒と薬を分けるのは摂取量です。

今回、取り上げた金時しょうがは通常のしょうが成分の４倍の効果があると謳っています。

過剰な栄養というのは、体力のない人には負担となります。

基本的にはビタミンやミネラルでも過剰に摂取すれば不調になります。

サプリの中でも○○の成分が通常の○倍と書いてあるようなものには注意しましょう。

 

 

肝臓を元気にする食事とは

肝臓を元気にするのに有効とされているのは柑橘系の果物です。

 

昔から柑橘類を栽培している山間部では、コレステロールが低い人が多く循環器系の疾患が少ないことが知られています。

コレステロールが高いと分解するために肝臓に負担がかかります。

そのため、肝臓を回復させるためにはコレステロールのコントロールが重要になります。

柑橘類のコレステロールの調整効果は科学的にも研究されています。

カボスの果汁には強いコレステロール上昇抑制作用が認められた。糞中への中性ステロールならびに胆汁酸の排泄量が増加しており, これがコレステロール上昇抑制作用の一つの作用機構であると考えられた。

～カボスがラットの血清および肝臓コレステロールレベルに及ぼす影響～

望月　聡、他2名

柑橘類の中でも、

• カボス
• ぽんかん
• グレープフルーツ
• ライム

などにはコレステロールの上昇抑制作用が認められています。

身体の中のｐｈが一定に保たれる作用が働くので柑橘類の酸味を入れることで胆汁酸の排泄を促します。

胆汁酸の排泄がコレステロールを低下させるのです。

研究によると、柑橘類によるコレステロールの低下作用が最も高いのは食後なので、食後のデザートとして食べるのがおすすめです。

 

まとめ

基本的にはサプリは補助食品という位置づけです。

そのため普段からサプリを飲むことで健康の増進や疾患の予防効果はありません。

必要となる人もいるのは確かですが、普段から身体を健康にするためには食事に気を付けましょう。

 

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院