東洋医学から見たステロイドの副作用と排泄法

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人物紹介

土樹(どき) 二人兄妹

人間関係を重視してボランティア大好き、土麻のお兄ちゃん。想像力が豊かで歴史もののマンガが大好き、栄養学を教える大学教授。

土樹「こんにちは。今日も生理学の講義を始めます」

「今日は使い続けると危険なステロイドについてです」

 

ステロイドとは

ステ ロ イ ドとはた四つの環から成り立っている化合物です。

ステロイドを原料とするホルモンには、

  • 副腎皮質ホルモン
  • 性ホルモン

があります。

両方のホルモンの合成場所は主に副腎皮質や精巣に卵巣、胎盤になります。

ステロイドホルモンを薬として使用すると、

  • 体の中の炎症を抑える
  • 体の免疫力を抑制する

などの作用があり抗炎症薬や抗アレルギー役として使われています。

さまざまな疾患の治療に使われていますが副作用も多いため注意が必要な薬です。

主な副作用だけでも、

  • 易感染性
  • 骨粗しょう症
  • 糖尿病
  • 消化性潰瘍
  • 血栓症
  • 精神症
  • むくみ

などが見られます。

ステロイドは免疫力を下げるのでアレルギー症状の緩和に役立ちますが、免疫力が下がった分だけ風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

さらに骨がもろくなり圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが起こりやすくなるので高齢者は注意が必要です。

必要に応じて骨を守る薬が処方されます。

また、副腎皮質ホルモンは糖を合成する働きを高めるためステロイドが増えた分だけ分泌量が増えて、血糖が上がり糖尿病の原因ともなります。

もともと血糖値が高い人は注意して食生活の改善に取り組む必要があります。

消化管粘膜が弱くなるため、潰瘍ができやすく予防のために胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬が出されます。

出血を止める機能が亢進するため血栓症が起こりやすくなるので、これも予防薬が追加されます。

さらに副作用して精神症状もあり、

  • 不眠症
  • うつ状態

になることがあります。

食欲の亢進と脂肪の代謝障害により動脈硬化を促進する危険からコレステロールや中性脂肪を下げる薬も処方されます。

体内に塩分が溜まりやすくなるために起こるので塩分を取りすぎないようにします。

そもそもステロイドは肝臓で生合成されます。

そして、ステロイドの一部は胆汁中に排泄され腸肝循環を受け、約70%は尿中に排泄され、約20%は糞便中に排泄されます。

また少量が皮膚を介して排泄されます。

そのため腎機能の低下はステロイドの排泄を低下させ身体に蓄積させます。

さらに副腎から放出されるステロイドホルモンである

  • 糖質コルチコイド(血糖値を上げて抗炎症作用を持つ)
  • 鉱質コルチコイド(Naを再吸収させて血圧を上げる)
  • 男性アンドロジェン(男性ホルモン)

がステロイドの投与で作られます。

そのため、急にステロイドの投与を急に止めると副腎のホルモンが出なくなり急激な血圧の低下を招きショック症状を起こします。

 

脱ステロイドに必要なこと

ステロイドを止めるためにはステロイド離脱治療を受ける必要があります。

普通にステロイドを止めるとリバウンドがひどく、もともとあった炎症が悪化するからです。

これがステロイドの怖いところの一つで、塗っているときは治まっていたアトピー性皮膚炎などがステロイドを止めたとたんに以前よりもひどく出てしまうことがあるのです。

多くの場合は症状がマシになる時期にステロイド薬の量を少しづつ減らすのが基本になります。

そもそもステロイドは薬として使われた後に尿などから排出できなかった場合は酸化コレステロールに変わって体内に蓄積します。

この酸化コレステロールは分解されづらく排泄されづらいので、蓄積されやすく炎症を悪化させる原因となるのです。

そもそも身体の成分が酸化しやすい人は生活習慣が悪かったり交感神経が優位だったりする人が多いのです。

 

身体に溜まったステロイドを抜くためには

ステロイドを抜くというのは酸化コレステロールを分解し排泄するということです。

酸化コレステロールは体脂肪に蓄積するので、汗をかくか肌のターンオーバーでの排泄がメインです。

ですが、汗をかくと肌の付近に酸化コレステロールが排出されるので、すぐに流すかこまめに拭き取ることが大切です。

基本的に激しい運動よりもうっすらと汗をかくくらいがおすすめです。

そして、アトピー性皮膚炎などの症状が落ち着いてくるのは3ヶ月くらいが目安ですが、酸化コレステロールの蓄積具合で個人差は大きく出ます。

そもそも酸化コレステロールは体脂肪に蓄積されているので、体重を落とすのも効果的です。

汗をかくのには限界があるので、効果を促進するためにはリンパマッサージも効果的です。

リンパマッサージはデトックス効果があるというよりリンパの循環を高めることでデトックスを促進します。

身体に炎症が起こりやすい人は脂質の代謝が悪く、リンパの流れが悪いことが多いのでそれらを改善することが最も効果的です。

脂質の代謝を低下させるものとして、

  • アルコール
  • 冷え
  • 運動不足

などが挙げられます。

ただし老廃物の排泄速度は

  • 気温
  • 気圧
  • 湿度

などにも左右されます。

そのため、身体の調子を見ながら焦らずにじっくりと行う事が大切です。

 

 

まとめ

ステロイドは主に抗炎症作用を期待して服用されますが多くの副作用をもたらします。

さらにステロイドは排泄が遅れるとどんどん蓄積されていくのが怖いところです。

糖尿病や潰瘍性疾患、精神病なども怖い症状の一つですが、長期服用になると副腎疾患に最も気をつけなければいけません。

急に自己判断で中止したりするとショック症状も起こすので注意が必要です。

医師と相談しながら自分のペースで行って下さい。

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筆者:澤 楽

鍼灸マッサージ師で東洋医学と西洋医学の融合と併用を目指しています。
農学部出身なので栄養学から見た薬膳についても書いていきます。普段は大阪市中央区のほのか整骨院で院長をしています。 澤楽はペンネームです。
ほのか整骨院

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